法政大学高等学校ラグビー部

ようこそ!法政大学高等学校ラグビー部の公式ホームページへ

HOSEI University Highschool RUGBY FC
全国大会都予選3回戦

全国大会都予選3回戦

全国大会都予選トーナメント3回戦。

約1ヶ月の準備期間をもらえたこの試合、初戦よりも良い準備ができた。戦術面でも技術面でもレベルアップを実感できている。しかし不安材料が一つある。CTB今村の怪我の状態だ。2回戦の武蔵野東との試合で痛めた右脚は、実は骨折していた。懸命な治療とリハビリの結果骨はくっついたものの、歩くのもやっとという状態であった。15人しかいないチームである。走れなくても、満足にプレーできなくても、声を出すだけでもとグランドに立つことを選んだ。

狛江ボールでキックオフ。

1分。立ち上がりをテーマにしていた法政だったが、逆に出鼻をくじかれてしまう。キックカウンターから狛江に攻め込まれる。そして法政ゴール前5mでの狛江ボールラインアウトという大ピンチを迎えてしまう。ラインアウトからモールを形成されると後手に回った法政に対し力で押し込んでくる。そのまま先制トライを奪われてしまった。0-7。

3分。しかし法政もすぐに反撃に移る。ラインアウトから今度は法政がモールで攻め込むが、アクシデンタルオフサイドがありチャンスを逃す。

その後も法政は猛攻を仕掛け狛江を自陣に釘付けにする。しかしミスも多く決定機を作ることができない。

14分。圧倒的に攻めながらも得点が奪えない法政に対し、狛江が少ないチャンスをモノにする。狛江ボールのラインアウトから今度はBKでアタックしてくる。SOからのループ攻撃がきれいに決まり法政DFのギャップを付かれ突破。そのままトライまで持っていかれてしまった。0-14。

17分。パワーで勝る法政DFは度々ターンオーバーに成功する。ここでもSO橋本がボールをもぎ取るとCTB小沢へ繋ぐ。そこからFWがピック攻撃。これまでミスが多かった遠目のプレーではなく、あくまでポイントサイドをパワーでこじ開けていく。少しずつゲインを重ね続け、ついにインゴールまで押し切った。7-14。

21分。ここでもFL高橋(慧)が自慢のパワーで相手選手からボールをもぎ取って一気にゲイン。しかしここで後ろからフォローした選手が痛恨のペナルティーを犯してしまい、同点のチャンスを活かせない。

27分。自陣5mヤーボスクラムの大ピンチ。ここで狛江はブラインドサイドを攻めてきた。そこにいたのはWTB林。2回戦でタックルを外され、それを見ていた狛江高校は林を狙ってくるなどという情報もあった。悔しかっただろう。この狛江のブラインドサイドのアタックを林が素晴らしいタックルで止める。チームを救った。林はこのあとも何度も素晴らしいDFで自分の責任を果たし続けた。

ロスタイム。先ほどのピンチをしのいだ法政はボールを奪い返しアタック。ペナルティーを得るとすかさずハリーで突っ込む。しかしここもトライに至らずハーフタイムとなる。

 

ハーフタイム中に主将・小沢を中心に話し合いをする法政。接点は勝っている、スクラムやラインアウトも圧倒している、あとはミスやプレーの精度だ。そのことを確認し再び飛び出していく。

 

1分。法政ボールのキックオフで後半スタート。橋本の大きなキックを狛江DFがノックオン。敵陣22m内でのマイボールスクラムという願ってもないチャンスを迎える。しかしここもサインプレーが繋がらずミスで追いつくチャンスを潰してしまう。

3分。それでもまだまだチャンスが訪れる。パワーとフィジカルで上回る法政は、セットプレーやブレイクダウンで多くのボールをゲットし攻撃に繋げる。ここも敵陣22mからのマイボールラインアウトのチャンスを迎えたが、やはり得点には至らない。

5分。FB沼澤が狛江DF3人に捕まりながら力ずくで突破。そしてスピードに乗って一気に狛江陣内へ。しかしまたしてもミスでこのビッグゲインを活かせない。

8分。なかなかチャンスをモノにできない法政を尻目に、狛江は一度のチャンスをモノにする。ハーフウェイー付近のスクラムからサインプレーでDFラインを突破されると、快速BKになんと50mを走りきられてしまう。7-21。

13分。しかしすぐにやり返す法政。敵陣10mからシンプルにFW直で攻撃を重ねる。少しずつゲインを重ね徐々にゴールラインが見えてくる。ここからFWがしつこくピック攻撃を繰り返し、ついにトライを奪った。14-21。

20分。俄然勢いの乗る法政だったが、ここで痛恨のミス。狛江陣22m内で回していたパスが繋がらずボールが点々とする。そのミスボールを拾われると前がかりだった法政はDFにいけない。沼澤があわてて戻るもギリギリで捕まえられず、まさかの70m独走トライ。非常に痛いトライを奪われた。14-28。

24分。気落ちしたのか、法政のDFが甘くなる。DFのギャップから簡単に右サイドを破られトライ。14-33。

重い雰囲気となった。しかしここでチームを鼓舞したのはやはりキャプテンだった。「まだ引退できねーぞ!」という小沢の叫びに法政フィフティーンはもう一度前を向く。

26分。その小沢の鋭い突破から橋本が続き一気にゴール前に。そしてFWがピックしてトライ。21-33。

ロスタイム。勢いに乗った法政のアタックに対し狛江はなすすべなく下がり、一気に押し込みまたしてもインゴールまで持っていく法政。トライ。28-33。

行ける!あと1プレーあれば逆転できる!と誰もが思ったが、ここで無情にもノーサイドの笛が鳴り響いた。

 

あと一歩届かなかった。あのミスがなければ、あのトライを防いでいれば、そんな思いの残る試合になってしまった。悔しい気持ちは消えることはない。

だが、終わってみて感じたこと、それは喜びと感謝だった。

二度とラグビーができないと思った。このメンバーで集まることはもうできないのだと思った。グランドに立つ資格などないのだと思った。それがついこの間のことだった。そこからたくさんの人たちの想いに助けられ、活動が再開できた。OBやくるみクラブの胸を借りながらたくさんの準備ができた。2回戦では恩人の率いるチームと戦わせてもらえた。そして怪我を抱えたりしながらも、このメンバーが一人も欠けることなく最後の瞬間まで一緒にプレーすることができた。毎年繰り返されるごく当たり前の光景が、我々にとっては決して当たり前ではなかった。このメンバーで戦えたことは本当に幸せだった。本当に嬉しかった。今は感謝の気持ちしかない。最後までラグビーをさせてくださりありがとうございました。応援いただいた全ての方々にこの場を借りて御礼申し上げます。

でも私が一番感謝しているのは、我が部員たちにです。大きな悲しみや苦しみから逃げずに立ち向かった姿こそが、私の勇気になりました。石井英人、藤原祐紀、比嘉礼央奈、石村大華、西井政賢、橋本貴大、小沢光葵、今村友哉、林太朗、沼澤宙輝、片岡美優、桂川海、和賀久実、みんなにもらった勇気を胸に下級生たちとこれからも歩み続けていきます。ありがとう。

 

法政
1
 石井 英人
3
2
 藤原 祐紀
3
3
 比嘉 礼央奈
3
4
 石村 大華
3
5
 西井 政賢
3
6
 青柳 勇斗
2
7
 高橋 慧
2
8
 赤坂 大也
2
H
9
 高橋 傑
2
10
 橋本 貴大
3
TB
11
 萬田 義和
2
12
 小沢 光葵
3
13
 今村 友哉
3
14
 林 太朗
3
FB
15
 沼澤 宙輝
3
16
沼田 海翔 1
17
18
19
20
21
22
23
24
25
法政
狛江
1
2
1
2
PG
DG
7
前半
14
3
3
3
2
PG
DG
21
後半
19
28
合計
33
交代

 

 

« »