法政大学高等学校ラグビー部

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HOSEI University Highschool RUGBY FC
全国大会都予選2回戦

全国大会都予選2回戦

全国大会都予選トーナメント2回戦。

1ヶ月前までは、この日を迎えられるとは正直思わなかった。そこからたくさんの方々のご尽力を受け、そして苦しみや悲しみから逃げなかった部員たちのおかげで、ついにこの日を迎えることができた。選手15人とマネージャー5人の20人でラグビーができること、そのことだけで心から感謝している。いや、今日は21人だ。海翔に背番号16のジャージを渡した。元気だったら彼が着る予定だった番号だ。写真と共にベンチで見守ってくれている。一緒に戦うんだ。

 

武蔵野東ボールでキックオフ。

1分。法政はいきなりペナルティーからピンチを迎える。脱出を図ろうとしたキックもチャージされ自陣に釘付けにされる。そしてさらに立て続けにペナルティーを犯したところで武蔵野東にshotを選択される。

3分。このペナルティーゴールは幸い右に外れるも、そこからのドロップアウトもダイレクトで出てしまい苦しいまま。やはり初戦の緊張に加え、しばらく実戦から遠ざかっていたゲーム感覚の狂いが生じているのだろうか。苦しい時間を迎える法政。

7分。しかしここでFWががんばる。自陣でのヤーボスクラムをターンオーバー。SH高橋(傑)がこのボールを誰もいない裏へ大きく蹴りだしハーフウェー付近まで戻す。ブレイクダウン・スクラムといったパワー勝負で優位に立つ法政は次第に試合の流れをつかみ出す。ここでもブレイクダウンでターンオーバーするとFB沼澤の素晴らしいタッチキックで敵陣5mまで攻め込む。

11分。しかし敵陣ゴール前での大チャンスも、やはりペナルティーで逃してしまう。さらにそこから武蔵野東の反撃を受けると一気に自陣まで攻め込まれる。しかしここは沼澤のナイスタックルで食い止める。

16分。主将CTB小沢のナイスタックルなどで再び敵陣5mまで攻め込む法政。ここでマイボールスクラムという先制のチャンスを迎えるも、ノックオンでトライが奪えない。

18分。だがようやく先制点を奪う。武蔵野東陣での法政ボールラインアウトから、SO橋本がDFの隙間を見つけ突破大きくゲインすると、小沢へパス。小沢は目の前にいた武蔵野東DFを鋭いステップで交わしインゴールへ飛び込んだ。7-0。キャプテンのトライでようやく先制する。

22分。ようやくリードを奪った法政は落ち着きを取り戻したのか、徐々に試合を支配していく。橋本の突破から小沢が抜けるという、先制トライと同じ形でDFラインを破ると、小沢はDFをしっかり引き付けて更に左へラストパス。待っていたのはWTB萬田。自慢の快速で追いすがる武蔵野東DFを振り切り左隅に飛び込んだ。角度のないところから橋本も見事にコンバージョンを決める14-0。

そして前半終了。

 

リードは奪えたがミスやペナルティーの多い法政。ハーフタイム中の話し合いでも、何人かが早口でまくし立てている。やはり「焦り」の感じられる法政。後半の立ち上がり次第では試合の行方はまだ分からないと思われた。

 

0分。しかし後半の立ち上がりは、法政にとって最高のものになった。法政ボールのキックオフからFWが猛然とプレッシャーをかけると、キックに対してチャージに成功。ルーズボールを拾った法政はNo.8赤坂がパワーで突っ込み大きくゲイン。そしてゴール前からPR石井が突進し武蔵野東DFを蹴散らしインゴールに飛び込んだ。ノーホイッスルトライ。最高の立ち上がりとなった。19-0。

5分。流れをつかんだ法政は勢いのまま武蔵野東陣へ攻め込んでいく。マイボールラインアウトからFL高橋(慧)がボールを持つと、チーム一の体の強さを生かして前へ出る。DFを引きずりながらも前進は止まらず、一気にトライまで持って行った。26-0。

その後は疲れや雨の影響もあったのか、法政はミスが多く決定機には至らない。またそれ以上に、武蔵野東の選手たちが全く諦めることなく前へ出る姿勢に対して法政は苦しめられ続ける。一進一退の攻防が続き時間だけが過ぎていく。

21分。ようやく試合が動いた。久しぶりに敵陣深くまで攻め込んだ法政。ここでFWがヤーボスクラムを再びターンオーバー。すぐさま高橋(慧)がこぼれ球をピックすると突破。大きくゲインするとそこから法政は右へ展開。ここへ走りこんだHO藤原がトライ。33-0。とどめと言ってもいいトライだった。

ロスタイム。しかし武蔵野東はそれでも諦めない。高橋(傑)がペナルティーへのすばやい反応から大きくゲインをするが、ここで法政はペナルティーを犯してしまう。武蔵野東最後の攻撃に対し劣勢に回った法政は更に反則を続けてしまう。そしてここで武蔵野東BKが法政DFが下がっていないことを発見すると裏へ大きなキック。懸命に戻る法政だったが、武蔵野東の選手15人全員が猛然とボールを追い、萬田はそのプレッシャーの前にボールを処理しきれない。そしてインゴールまで転がったボールを押さえたのは武蔵野東の選手たちだった。33-5。これまで長きに渡って切磋琢磨させていただいてきたチームである武蔵野東。しかし今更ながらその「折れない心」を深く感じさせるプレーを目にした。

ノーサイド。

 

勝った。だが勝ったことより、このメンバーでもう一度ラグビーができたことがやはり嬉しかった。もう一度法政のファーストジャージを着て、大会に臨める。練習も試合も合宿も、全てができなくなった我がチームにとって、決して当たり前のことではなかった。仲間と共にラグビーをできることに感じる喜びの大きさは、全国の全てのチームの中でも我が部が一番かもしれないと思う。だからこそもっと一緒にラグビーがしたい。一日でも長くこのチームの一員でありたい。そしてそのために勝ち続けよう。彼もそれを応援してくれているはずだ。

 

海翔、勝ったよ。

 

 

法政
1
 石井   英人
3
2
 藤原   祐紀
3
3
 比嘉 礼央奈
3
4
 石村 大華
3
5
 西井 政賢
3
6
 青柳   勇斗
2
7
 高橋 慧
2
8
 赤坂   大也
2
H
9
 高橋 傑
2
10
 橋本   貴大
3
TB
11
 萬田 義和
2
12
 小沢   光葵
3
13
 今村 友哉
3
14
 林 太朗
3
FB
15
 沼澤 宙輝
3
16
   沼田   海翔 1
17
18
19
20
21
22
23
24
25
法政
武蔵野東
 2
 2
PG
DG
14
前半
0
3
1
2
PG
DG
19
後半
5
33
合計
5
交代

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