法政大学高等学校ラグビー部

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HOSEI University Highschool RUGBY FC
全国大会都予選トーナメント2回戦

全国大会都予選トーナメント2回戦

全国大会都予選トーナメント2回戦。

1回戦を快勝し、勢いを持って臨みたかったこの試合。しかしインフルエンザが猛威を振るい、臨時休校措置が取られることとなった。初戦が終了してからのこの2週間、練習はたった1日しかできなかった。連携やモチベーション面で大きな不安に包まれた。だが世の中を見渡すと同じような学校はたくさんあり、残念ながら出場を辞退しなくてはならない学校もあった。我々はまだ幸せだ。戦うことができるのだから。

1回戦ではインフルエンザの影響でベストメンバーが組めなかった。今日は全員が揃っている。3年生も全員がスタメンで出場する。「やりきったと思える試合をする」という、チーム全員で決めた目標を胸にグランドへ飛び出していった。

 

石神井高校ボールでキックオフ。

高いキックに対して競り負けてしまいいきなりのピンチ。だがDFがしっかり前に出てゲインをさせない。

3分。ペナルティーを犯してしまうと、アドバンテージを得た石神井10番が左サイドへ大きなキックパス。これはWTBマーカスが一度はキャッチするも、着地と同時に激しいタックルを受け、ルーズボールを拾われトライを奪われてしまった。0-7。

5分。ここも石神井のアタックが冴え大きなゲインを許す。しかしSH竹内とCTB太宰が素晴らしいDFを見せ、ボールを取り戻す。さすがBKリーダー、さすがキャプテン。

6分。DFギャップを突かれ突破される。頼みのFB井上も届かず中央にグラウンディングされた。0-14。

8分。しかしキックオフのボールを相手がキャッチミスし、それを拾った合同Cは敵陣22mでのマーボールスクラムという、この試合初めてのチャンス。反撃したいところであったが、残念ながらトライまでは至らず。

11分。FL坂本が火の出るようなタックル。法政に加えて、東京電大と三田国際の選手たちも身体を張る。

12分。再び石神井の鋭いアタック。DFラインを突破されインゴールまで。誰もが下を向きかけたが、ここでスーパープレイが。PR野嶋がトライの体制に入った石神井の選手に対し、ボールごと引きずりあげる。インゴールでトライをさせずにマイボールへと取り戻して見せた。俄然盛り上がる合同C。

13分。しかしこのインゴールからのドロップアウトを見事なカウンターアタックで戻される。再び自陣ゴール前へ。

17分。何とか食い止めていた合同Cだが、ペナルティーを犯すとまたも大きなキックパス。見事にインゴールで繋がりトライ。0-26。

20分。ここも見事なサインプレーから石神井の13番に中央を突破されトライ。0-33。

22分。雰囲気が悪くなってきたが、ここでキャプテン太宰の素晴らしいタックル。チームを蘇らせる。

23分。太宰のタックルで勢いを増した合同Cは、やっと本来の形でのアタックを見せる。連続攻撃から、SO浦野→CTB松崎→マーカスへとパスが繋がると大きなゲイン。ここでたまらずペナルティーを犯した石神井に対し、FWのピックゴー攻撃で攻める合同C。少しずつ少しずつゲインを重ね。ついにインゴールに飛び込んだ。トライ。全員で繋いだ良いトライだった。7-33。

ロスタイム。石神井の怒濤の攻撃を何とか食い止め続ける合同C。3分間以上に及ぶ猛攻を跳ね返し続ける。最後は攻めあぐねた石神井がペナルティーゴールを選択し、7-36として前半を終了した。

 

この試合が大会初戦となる石神井に対し、前半開始と同時に全力を出し出鼻をくじくというコンセプトで挑んだ合同C。しかしゲームプラン通りには行かず前半で差をつけられてしまった。みなが焦り悲壮感が漂い始めていたが、キャプテンだけは違った。「みんな、落ち着いて。まだ大丈夫。敵陣でのアタックは通用していただろ。しっかりやるべきことをやって1トライずつ返していこう。」そうチームを励まして、皆の表情にも再びやる気がみなぎってくる。

 

だが後半も思うようにプレーさせてもらえない。キックパスやサインプレーを駆使した石神井のアタックは非常に強力で、がんばって追いかけるもなかなか止めきることができない。

後半1分には外を抜かれて独走されトライ。6分にはエイタンで押し込まれてトライ。10分にはモールでトライ。その後18分と27分にもとどめのトライを奪われた。ノーサイドの笛が鳴った瞬間のスコアは7-70であった。

 

負けてしまった。しかし3年生を中心として最後までよく頑張ってくれた選手たち。特にキャプテン太宰はこの試合を通じて最初から最後までハードタックルでチームを救い続けていた。チーム事情によりFWからBKへと転向し、距離のあるタックルに対し上手くタイミングが取れずに悩んでいた時期もあった。しかし最後の試合となったこの試合で、最も輝き最も身体を張っていたのは、キャプテンの太宰歩だった。

私は昔から思っていることがある。トライする選手が大きな注目を浴びがちだが、足の速い選手が何人かいればトライは生まれる。しかしタックルというのは勇気が無いとできない。だからトライを取れる選手より、タックルできる選手の方が尊敬に値すると思っている。歩はそういうプレーヤーだった。

試合後にも、泣いている仲間の背中に手をやる彼を見て、歩をキャプテンに選んで良かったと心から思った瞬間だった。

 

歩だけでなく、3年生全員にも心からねぎらいの言葉を送りたい。この75代のメンバーは、非常に手のかかる子たちだった。ラグビーに対する情熱があまり感じられず、強くなりたい上手くなりたいという気持ちもあまり表現してくれず。練習をサボる子も少なくなく、これまで何度となくミーティングや話し合いをしてきた。新人大会の試合の時にも、そんなコメントを書いた記憶がある。

だが、3年生性になった頃から、段々と彼らの目つきが変わり始めた。練習をサボる子は少なくなり、グランド練習やウェイトトレーニングも積極的に取り組むようになり、誰かに言われたわけでも無く自分たちで相談して朝練を始めるようになった。ここ半年ほどは最上級生らしい、リーダーらしい背中をたくさん見ることができた。

もちろん、だからこそ悔やまれることもある。この半年のような気持ちで去年一年間を、2年生の一年間を過ごすことができていたなら、この試合の結果もきっと変わっていただろうと私は思う。良いことも残念なこともあった3年間、ぜひどちらも大切な思い出と教訓として持ち続けていってくれたら嬉しい。

3年生、お疲れ様。

最後までラグビーをしてくれてありがとう。

 

 

合同C
FW
1
関口 翔世(法政)
3
2
佐々木 陸(法政)
1
3
野嶋 隼太郎(法政)
3
4
鈴木 誠(電大)
3
5
今野 太智(三田)
2
6
坂本 雄規(三田)
2
7
吉永 龍生(電大)
2
8
市野 太一(法政)
3
HB
9
竹内 勇太朗(法政)
3
10
浦野 桜佑(法政)
2
TB
11
ヒギンズ マーカス(三田)
1
12
太宰 歩(法政)
3
13
松崎 浩準(三田)
2
14
大柄 海翔(電大)
2
FB
15
井上 弥怜(法政)
3
 
16
脇山 天雅(法政) 2
17
グレイブス 彪(三田) 1
18
栗原 怜央(三田) 1
19
   
20
   
21
   
22
   
23
   
24
   
25
   
合同C
 
石神井
1
5
1
4
 
PG
 
 
DG
 
7
前半
36
0
5
0
3
 
PG
 
 
DG
 
0
後半
34
7
合計
70
交代
入替 後半10分 10 → 16
入替 後半18分 5 → 17
入替 後半18分 14 → 18
     
     
     
     
 

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