春季大会トーナメント2回戦。
新人大会と同じく、農大一高・三鷹中等と一緒に合同チームを組んで出央することとなった。コロナが比較的落ち着いてきたこともあり、先月から多くの練習会を行うことができた。チームとしてのまとまりはかなり出てきたが、一方で最上級生である3年生は合わせて4人しかおらず、リーダーシップを発揮したり落ち込んだ仲間を鼓舞するような選手が少ないのが気がかりである。相手の府中西はスポーツ推薦も含め多くの部員がおり近年素晴らしい成績を収めているチームである。苦しい時間が増えることは予想されるが、それをどれだけ耐え勝機を見いだせるかということがポイントと思っていた。
府中西ボールでキックオフ。
この蹴られたボールが合同D選手の中間地点へ飛ぶと、ここでコミュニケーションが少なくキャッチする選手が迷う。間に落ちたボールが不規則なバウンドをしながら転がると、ここへ府中西の選手が猛ダッシュ。もみ合いながらインゴールまで転がったボールをグラウンディングしたのは、府中西。まさかの形で最悪の先制トライを奪われてしまう。0-7。
6分。先制トライで出鼻をくじかれ明らかに気落ちした合同D。府中西に押し込まれると、自陣ゴール前での府中西ボールスクラムの大ピンチ。相手が外に展開したボールは乱れるも、これを追いかけた合同DのDFに大きなギャップが生まれそこを突破され右隅にトライを奪われる。0-12。
8分。合同Dも反撃に出る。期待の一年生SO淺野がパスダミーから自らのスピードで突破。自陣から一気に敵陣5mまで迫る。しかしながらここは展開したボールがタッチを割りトライには至らず。
11分。農大一高のキャプテンの遠山が負傷。元々痛めていた肩の怪我が悪化し、交代を余儀なくされる。
16分。府中西のパスがつながり始め、ここも綺麗にサインプレーが決まりトライまで持って行かれる。
26分。押し込まれる時間帯が続く。相手の突破に対してCTB太宰・CTB石坂のダブルタックルで防ぐも、止めきれず中央にトライ。0-26。
ロスタイム。自陣ゴール前でマイボール。ここは外にボールを出して後半に再度チャンスを、という考えもあったがチーム間で共有しきれておらず無理にアタック。孤立したところを奪われトライを献上してしまう。0-33。
ハーフタイム。
実力差はあった。しかしながらミスや連携の部分でむだな失点を喫してしまった部分も否めない。いかにワンチームになれるか、後半も問われることとなった。
後半も府中西の猛攻を受ける。
4分。モール攻撃を受け、何とか食い止めるもそこからピックでトライ。0-38。
14分。ゴール前でのピックを止められずまたしてもトライ。0-43。
しかし落ち込んでいく選手たちを横目に、最後まで気を吐き続ける音がいた。三鷹中等教育学校のFL佐野である。彼は三鷹中等一年生でラグビーを始めて以来、6年間ずっとラグビーを続けてきた。その間、まわりに部員はほとんどいなかった。たった一人で練習しなくてはならない日々が何年間もあった。それでも辞めずにずっとラグビーを続けてきた。その佐野にとって、この大会が最後の大会となる。点差を見ればこの試合が最後の試合になるだろう。ペナルティーを得ると全て自分で走り相手に突っ込む。仲間が抜かれても最後まで追いかける。彼のこの試合に賭ける想い、今までどんな気持ちでラグビーをしてきたのか、それが見えた気がした。試合後のミーティングで、号泣する彼に対してチームメイト全員が大きな拍手をしていた。本当によく頑張ったと褒めてやりたい。
試合は負けた。
タラレバが言えないくらいの負け方であった。しかしこれで終わってはならない。誰だって負ける。大事なのは負けないことではなく、負けた後にその悔しさを行動に移せるかどうかだと私は信じている。歯を食いしばって前を向き続けていって欲しい。負けることは恥ずかしくない。負けて下を向くことは恥ずかしい。がんばれ、法政・農一・三鷹。
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