新人トーナメント1回戦。
太宰歩率いる第75代の最初の戦いである。
だが晴れの舞台に向けてあまり良い準備ができたとは言えなかった。
チーム状態は決して良くない。第73代、第74代は、最上級生たちが人数は少ないながらもリーダーシップを発揮しチームを導いていった。しかし新チームが始まってから、多くの選手が引っ張られていることに依存していたため、なかなかチームとしてまとまらず、チーム内の規律も緩んでいた。
公式戦当日であるこの日も、遅刻者もいれば忘れ物もあり、正装で臨んでない者もいた。そして最大の問題は、そういった状況でも、お互いに注意し合う関係性が全く存在しないことであった。
これでは勝てないだろうと思った。
キックオフから試合は合同Cのペースで進む。
前半の開始から敵陣に攻め込む。ブレイクダウンでもコンタクトの強さでも負けていない。しかしコミュニケーションが無くミスが重なる。ずっと同じ展開である。自陣に攻め入られることはあまりないものの、攻撃が繋がらず決定機を作り出せない。
そしてそうこうしているうちに一瞬のDFギャップを突かれ逆襲に遭いトライを奪われる。
6分、14分、23分、すべて同じ流れでトライを奪われた。
前半0-19。
後半も流れは変わらない。
No.8井上やFWの個々の突破はゲイン出来る。SO浦野→CTB太宰のホットラインでは再三ビッグゲインを見せる。しかしフェーズを重ねると必ずミスが起こる。パスミスよりもコミュニケーションミスが。
後半も、10分、15分、24分、と3トライを献上してしまった。
ノーサイド。
0-38。
選手たちは頑張っていた。この試合の中で手を抜いていたというわけではない。だから試合そのものに対しては、よく頑張ったと言ってあげたいし労をねぎらいたい。
しかし、この試合に至るプロセスはどうだっただろうか。この試合のためにどのくらい必死に準備できたのだろうか。負けて心から悔しがっている選手はどのくらいいただろうか。まわりの人たちはそんな自分たちをどのくらい真剣に応援してくれただろうか。
変わらなければならない。
法政高校ラグビー部は、みんなから応援されるチームだった。保護者は熱心に応援に来てくれ、いつも温かい言葉や差し入れを頂戴し、OBOG会から多額の支援金やアドバイスをいただいてきた。公式戦の前後では学校の友達や先生たちが必ず応援の言葉をくれていた。卒業生がいつも練習を手伝いに来てくれた。多くの人たちから応援される、法政高校ラグビー部はそういうチームだったはずだ。今はそういうチームになれているかな。このままで応援されるかな。
ポジティブな面に目を向ければ、これが新人大会だったということ。まだまだ挽回のチャンスは残されている。この先どういうチームになっていくのか、すべては現役選手・マネージャー、みんなにかかっている。
変わろう。
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