法政大学高等学校ラグビー部

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HOSEI University Highschool RUGBY FC
【中学】決勝トーナメント2回戦の結果

【中学】決勝トーナメント2回戦の結果

先日行われました、決勝トーナメント2回戦の結果をお伝えします。

法三日北 24 ● 26 成城学園中

小降りになる時間帯はあるものの、冷たい雨が降りしきる中、ベスト4をかけてトーナメント2回戦です。相手は春に4位、夏を経て一層実力を増したと評判の成城学園中です。

雨の中、我々の実力を勘案し、準備はしてきました。勝てるパターンは一つだけ。あとは規律を守り、ディフェンスし続けるしかありません。お互いに深海へ引きずり込み合い、どちらが我慢できなくなるかの我慢比べをするような、地味で苦しい戦いの始まりです。

キックオフ早々、寒さからか多少硬さは見られるものの、良い動きをしています。そんな中、キャプテン田中が相手ディフェンスラインをぶち破り、先制トライ。キックも決まり、7-0。その後、敵陣10m付近でペナルティを得た我々。チームの選択は「ショット」。グラウンド中央付近、そして縦が狭い成城学園グラウンドとはいえ、かなり距離はあります。キッカーは和智。どこから蹴ってもコンバージョンゴールを決めてくれる彼のキックがあるからこそ、仲間は安心して、そしてがむしゃらにトライを狙いにいけました。一瞬の静寂。綺麗な放物線を描いたボールは綺麗にゴールポストの間を切り裂きました。10-0。

しかし、当然ここで終わりではありません。成城学園が反撃を見せます。前半10分過ぎ、やや成城学園が優勢なものの、お互いに決め手を欠く中、一瞬のほころびを突かれトライとゴールを許します。前半終了直前にももう一本決められて、10-14で前半を折り返しました。

「変な空気」としか言いようがありません。熱いゲームをしながらも岩のように落ち着き、冷静な頭の中。そして熱いゲームなのに静まり返るグラウンド。人工芝のグラウンドに雨の打ち付ける音が聞こえます。アップセットはこういう時に起こります。

後半。キックオフのミスからあっという間にトライを奪われます。10-21。嫌な空気になりかけますが、この日の我々は違いました。粘り強くタックル。苦しくてもラックオーバー。相手に抜けられても逆サイドからBKが追いついてタッチ外へ。ゴールラインを背負っても成城の巨漢FWを止め続けます。

しかしこうして我慢していれば、相手にミスが生まれます。後半10分から17分までに2本のトライ、ゴールを奪った我々はついに逆転に成功します。24-21。残り3分。予想通りに読み切った展開です。ここからのサインは「ボールキープ」です。吐こうが泣こうがどこかを折ろうが、1mのゲインを繰り返し、3分間ボールをキープし続けます。前日にはそのための練習をしました。

最後、海底まで辿りついた両者、最後の我慢比べです。敵陣ゴール前15m。条件は整いました。しかし、ここにきて歯車が狂い始めました。前日、FWユニットを作り、時間をかけて確実に攻撃とキープを繰り返すという確認をしましたが、攻撃のテンポが上がっていってしまいます。法政のキャプテン立原は落ち着いて仲間をまとめ、スローダウンさせますが、勢いのついてしまったFWを止めきれません。ベンチでも「早い」「落ち着かせろ!」と思った次の瞬間、FWが一人、孤立してしまいました。オーバーに入っても後の祭り。ターンオーバーされてしまいました。それでも諦めない連合チーム。それでも前がかりになったチームが受け身になったのを立て直すのは難しく、ジワジワと自陣ゴールへと押し戻されます。後半19分、逆転のトライを奪われてしまいました。

それでも残り1分、もう一度逆転を狙いますが連合チーム痛恨のペナルティ。成城はラインアウトからプレーを切り、ノーサイド。

こうして2016-17チームは終了を迎えました。

連合チームならではのチームとしての成長の遅さ。力はあっても発揮できない、させられないもどかしさ。そんな中で迎えた春の大会。自分達のポテンシャルに気づき、手にした関東大会への切符。東日本大会には出られなくても、もっと勝ちたいと思い一生懸命取り組んだ夏の練習と秋の大会。

よくここまでたどり着きました。でも、もっとやれたこともあるでしょう。3年生はここまでわずか15年の人生です。残りの人生の方がまだまだ長いです。この悔しさは高校のラグビー生活で取り戻してください。一生ラグビーをし続けなさい。そしてラグビーとは何なのか、ということにたどりついてください。その過程で一生の仲間、宝を得るでしょう。

その時、その場所でないと見られない景色があります。3年生が見た景色はどんな景色だったのでしょうか。1年生と2年生は先輩と同じ景色が見られるでしょうか。

保護者の皆様、OBの先輩方、おかげさまで熱く長いシーズンを過ごすことができました。心より感謝申し上げます。チームはここで一度区切りをつけて、改めてスタートを切ります。引き続き熱くラグビーに打ち込めるよう選手の背中を押していただければ幸いです。

法政大学中学校ラグビー部
顧問 武井博志
顧問 植竹佑樹

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