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春季大会4回戦。相手は東京高校。日本でラグビーをやっている者なら誰でも知っているビッグネームである。選手の人数も多く観客席にも多くの人がいた。試合前に「東京」という名前に飲まれてしまうかとも思われた。しかしよく見てみると、観客席は青で埋まっている。保護者やOBが全員揃いの青Tシャツで応援してくれているのだ。勇気をもらった法政フィフティーンは臆することなくグランドへ飛び出していった。勝てば関東大会への扉が半分開く。

法政ボールでキックオフ。
この日もキックオフを任されたのはWTB橋本。期待のルーキーはもはやチームに欠かせない男となっている。このキックも東京陣奥深くまで転がり良い場所からプレーが進んでいく。

前半3分。この日の法政は立ち上がりが良く、序盤から東京陣に攻め込む。ボールを奪われても良くDFをして食い止めていた。だがここでラインアウトからモールを作られると、このモールが強力であった。大きくゲインされ余ったところで右に展開される。CTB松元が必死に食い止めるもそのボールを東京SHにピックされ先制トライを奪われてしまった。0−5。

6分。今度は一転法政のチャンス。東京陣22m内側でラインアウトを得ると、法政もモールアタック。あと5mというところまで攻め込むが、ここは惜しくも倒れこみの反則がありトライには至らず。

9分。まだ法政の時間帯。良い形でラインブレイクを重ねLO堤へボールがわたる。チームでも1・2を争う強さの持ち主である堤は、ここでもその真価を発揮し東京DFを3人弾き飛ばして突破。そこから法政FWのピック攻撃でゴールラインが見えたが、ここもノックオンで得点が奪えなかった。

その後東京に攻め込まれる展開となるが、東京BKの独走はWTB今野が食い止め、SO山福も素晴らしいキックで陣地を挽回していく。

だが、このあたりから東京の圧力が法政を脅かしていく。モールで再び押し込まれゴール前までつながれる。法政がタックルに入ってもオフロードでどんどん繋いでくる。

16分。ここでもモールで押し込まれる。強力なモールはなかなか止まらず、なんとかギリギリのところで食い止めたがそこからピック攻撃でトライを奪われた。0−12。

19分。法政DFもよく前へ出ているが、東京CTBに上手くずらされ、すれ違う形で突破される。FB佐々木もかわされトライ。0−19。

21分。自陣10m付近でのスクラムから東京FBに走られる。スピードに乗ったランに追いつくことが出来ない0−26。

29分。またしても東京のモール攻撃。なすすべなく押し込まれ、ついにはモールで走られてしまう。0−33。

ここでハーフタイム。


良い立ち上がりを見せたが終盤に重ねて失点をしてしまった。トライを奪われるほとんどの形がモールから始まっている。当然東京は後半はさらにモールを使って圧倒しようとしてくるだろう。法政DFがどれだけがんばれるか、特にFWの頑張りが後半の鍵を握っていた。しかし思いもよらぬ形で核を失ってしまう法政。


後半4分。PR金森が脳震盪で退場。チームの精神的支柱であるキャプテンを失った影響は大きく、直後のプレーでトライを奪われた。0−40。しかし代わりに入ったPR伴も3年生。金森の分もと気持ちを強くグランドに出て行った。

9分。法政は久々にチャンスを迎える。東京陣22m内でのマイボールスクラムからNo.8岨野が突破。大きくゲインを見せそこから法政の連続AT。しかしさすがは東京。あと数mまでは攻め込めても、そこから先へは行かせてくれない。

13分。またしても東京のモールアタック。ここは法政FWが必死にモールの動きを食い止めるが、サイドDFが手薄になってしまった。そこを抜かれてトライを奪われる。0−45。

その後は法政も諦めることなく粘りを見せ、試合は膠着状態のまま時間が過ぎていく。しかし東京の強力なATを受け続けてきた法政は、疲労が色濃くなってきていた。

24分。東京の連続AT。法政DFの動きが鈍くなってきたところで速い攻撃を繰り出す。外まで回されトライ。0−52。

28分。ここでも東京の連続AT。倒しても倒してもどんどん繋がれとどめのトライを奪われてしまった。0−57。

そしてノーサイドの笛。



強かった。
やはり東京都のチャンピオンチームは強かった。毎年花園に出場しているチームは想像以上に強烈だった。法政との差は非常に大きく、ちょっとやそっとの努力では到底追いつけないだろう。

しかし大きな収穫もあった。それは選手みんなの成長だ。
試合後に見せていた法政フィフティーンの表情は悔しさに溢れていた。「東京に負けちゃうのは仕方ないよね」という顔をしている選手は一人もいなかった。全員が「もうちょっとやれたはずだ」「通用するところも多く0点で終わるはずはなかった」とい言っていた。

もちろん大敗したのは事実だし、それは実力の差である。しかし法政二高・保善・大泉と苦しい試合の中で急激な成長をしてきた選手達の中には、大きな自信も植え付けられていたのだ。ここ数年は1・2回戦や大事な試合で負けてしまうことが多く、チームとしての自信を持てずにいることが多かった。今は違う。「俺達はやれるんだ!」という気持ちが心にあった。それが一番の収穫ではないかと思う。

そして個々の成長も見られた。今年の3年生は優しく面倒見の良い男ばかりではあるが、その反面あまり強く言えないタイプが多い。これまでは元気の良い2年生などを前にしてリーダーシップを発揮できずにいた。しかし大会を通してだんだんとチームを引っ張る3年生の数が増えてきたように思う。今日の試合でも後半開始直後に金森がいなくなった後、主務である岨野がずっと大きな声でチームを鼓舞し続けていた。何本トライを奪われてもチームを励まし、気落ちしかけたチームメイトを最後まで引っ張ってくれていた。金森だよりと呼ばれた代であったが、リーダーとしての自覚が芽生えてきたようだ。

こうした諦めない気持ち、自分達を信じる心、それさえあればチームはまだまだ強くなる。新人戦は満足に選手を揃えられない中で初戦敗退したチームが、急成長し春では良い試合をしていくつかの試合に勝利することができた。この春季大会でBEST16に残ったため、秋の花園予選はシード校として戦うことになる。シードを得るのも数年振りだ。秋までにこれまで以上の努力を重ね、もっともっとたくさんの試合に勝利し、泣こう。

勝って泣くのがこんなにも素晴らしいことだと知ったチームだ、だからもっと

勝って泣け、法政!



法政

1
石井 英人
1
2
椎名 克
2
3
金森 達哉
3
4
堤 正樹
3
5
谷口 優人
2
6
大屋 賢祐
2
7
竹内 仁之輔
2
8
岨野 力也
3
H
9
横尾 俊也
2
10
山福 武
2
T
B
11
今野 太晴
2
12
松元 宏樹
3
13
吉原 良祐
3
14
橋本 貴大
1
FB
15
佐々木 陽平
2



16
伴 裕太
3
17
横溝 大知
1
18
19
20
21
22
23
24
25
法政
東京
5
4
PG
DG
0
前半
33
4
2
PG
DG
0
後半
24
0
合計
57

交代
入替
後半4分
3 → 16