HOME NEWS MEMBER SCHEDULE RESULT ALBUM OLD BOYS JUNIOR HIGH


  



春季大会2回戦。いよいよ3年生にとって最後の大会が始まった。勝ち続ければ念願の花園に繋がり、負ければその場で3年生は引退となる、まさに最後の戦いである。相手は桐朋。新人大会で苦杯を飲まされた相手である。だがあの時は合同チームである上に怪我人が多く、苦しい状態であった。今回は頼もしい1年生たちが入部し成長してくれた。青とオレンジの伝統のジャージを着て戦える喜びを胸に、選手はグランドへ出て行った。

法政ボールでキックオフ。

立ち上がりから気持ちの入ったプレーを見せていく法政。連続アタックからチャンスを迎える。

3分。一気にゴール前まで迫り先制トライかと思われたが、ここでミスが出て桐朋ボールとなってしまう。だがここでCTB櫻井の火の出るようなタックルが突き刺さりまたしても法政ボールへ。そして桐朋はたまらずペナルティーを犯す。ゴールまで約30m。法政はショットを選んだ。これまで何度もチームを救ってきたFB山福の右足に託したが、ボールはわずかにポストの左へと逸れてしまった。

その後はずっと一進一退の膠着。法政は個々の力で勝っており少しずつゲインを重ねていくが肝心なところでミスが多く得点に至らない。

18分。しかしついに攻撃が実った。FWが中心となってゴリゴリ前に出て行き、止められても継続アタック。徐々に桐朋ゴールに迫り、最後はケガから復帰したFL岨野がインゴールに飛び込みトライ!ついに試合の均衡が崩れた。7−0。

22分。しかし今度は桐朋の時間帯。法政陣深くまで攻め込んでくる。ラインアウトからBK展開。法政は何とか止めるも継続され、トライを奪われてしまった。7−7。

ここで前半終了。


後半に入っても前半と同じような展開で試合が進む。

法政はよく前に出て押し込んでいくが、ミスが多く決定機を迎えられない。
だがそれでも後半も先に主導権を得たのは法政だった。

5分。桐朋BKラインのギャップを見つけた櫻井が走りこみ、SO大仁からパスが繋がる。きれいに突破しFBとの1対1になる。桐朋FBのタックルに一度は倒れた櫻井だったが、相手も櫻井を捕まえきれておらず、櫻井は立ち上がり再び走り始めた。彼の前にはもう誰もおらず、インゴールまで走りきった。14−7。

だが法政に大きなピンチが訪れる。

9分。PRが金森が密集の中で膝を怪我してしまい、途中交代を余儀なくされた。

10分。金森を失ったFWはダメージが大きかったのか、直後のこのマイボールスクラムをターンオーバーされてしまう。そこから右へ大きく展開されビッグゲインを喫する。ゴール前で何とか食い止めるも、薄くなっていたポイント右サイドを突破されトライを奪われてしまう。14−14。

その後も一進一退は続くが、後半15分を過ぎたあたりから徐々に桐朋の勢いが増し、法政は劣勢に立たされていく。

18分。桐朋のアタック。左サイドを突破されまたしてもビッグゲインを許す。WTB今野が追いつくも、フォローしてくるプレーヤーが多い桐朋に繋がれインゴールまで走られてしまった。14−21。

21分。焦る法政。自陣で痛恨のペナルティーを犯し、桐朋にペナルティーゴール決められてしまう。14−24。

24分。法政は最後まで前に出続けるが、勢いのついた桐朋の攻撃は素晴らしく、法政は自陣に釘付けにされる。そしてターンオーバーされたボールをまたしても繋がれ、とどめのトライを奪われた。14−31。

そしてノーサイドの笛。




負けた。

あんなに練習したのに勝てなかった。あんなに必死にやったのにこんなにもあっさり負けてしまった。

悔しい。

悔しい。

ただ悔しい。

全員が泣いていた。
その中で主将CTB池永だけは最後まで全員を連れて挨拶をさせ、仲間を励ましていた。いつの間にか立派なキャプテンになっていた。だが、その池永もやはりその後号泣したいた。
泣いても泣いても涙が出た。

でもある人が言っていた。「いっぱい泣いたら胸張って帰ろう」と。
そうだ。確かに負けてしまった。この代になって公式戦はあまり勝てなかった。だがこれまで必死に練習してきた。勝つために本当に努力をしてきた。だからみんなを笑う人は誰一人いなかったし、よく頑張ったと誉めてくれていた。

だから胸を張ろう。
何も恥ずかしいことはしていない。プロでもないし代表選手でもない。でも伝統のジャージを着て、全員の気持ちを背負って精一杯戦った。
将来子供が出来たら、「父さんは高校生のときにラグビーをやっていたんだ」と胸を張って言ってやれ。みんなにはその資格がある。


今年の3年生はみんな明るく、よく声を出すヤツラだった。本当によくがんばったと誉めてやりたい。そしてできれば、このチームを応援してくださっている皆さんにも、よくがんばったと彼らを誉めてやっていただきたいと思う。

自慢の教え子達をもう一度紹介させていただく。


渡邉 雄太
虫も殺せないような優しい顔をしているプロップ。お勉強が苦手で何度もピンチはあったけど、今は試合中に最後まで一番声を出す男に成長した。よく走りきったな。

山崎 悠生
小学生からラグビーをやってきたと聞いて期待をし、パスが取れないことにがっかりしたのが最初の印象だった。でも体の強さはチーム一。それは努力の賜物だ。

五反田 拓巳
久しぶりのヤンチャ坊主。よく俺に突っかかってきて言い合いになったな。でも実は誰よりも寂しがり屋で、いつもだれかにちょっかいを出している憎めないやつだった。

大仁 貴博
チーム一のエンターテイナー。説教していてもすぐにそれをおちゃらけにしてくれたな。でもラグビーの研究は誰よりも熱心でお前のアイデアでチームは強くなったよ。

櫻井 将弥
今まで見てきた教え子の中でも、おそらく1・2を争うハードタックラー。見た目は大人しそうに見えたけど、実はラグビーをやるためにウチに入学した熱い男だった。

白井 薫
すべての持ち物にお母さんが名前を書いてくれる甘えん坊。一番怒っただろう。でも入学してから必死で努力し、体重も20kg以上増やした。だがその分最後は怪我に苦しんだ。試合、出してやりたかったよ。

池永 慶祐
キャプテンのくせにちょっと軽くて、しょっちゅう説教した。でも、仲間のためにという気持ちが一番強くて段々とキャプテンらしくなっていった。だからお前を選んだんだよ。今は信頼しかない。


おそらく悔しさのほうが多く残った3年間だっただろう。もっと勝たせてやりたかった。もっと勝つ喜びを味わわせてやりたかった。すまない。

この悔しさは次にちゃんと引き継いでいく。
お前らのだけじゃない。過去65代が悔しい思いをし涙してきた。その涙が染みこんだジャージを着て、今度こそ勝って泣きたい。

3年生のみんな、これからもいつでもグランドに来てくれ。
ここがお前らのホームであり、帰るべき場所なんだから。
後輩達は待っているよ。
もちろん俺もな。



法政

1
金森 達哉
2
2
渡辺 雄太
3
3
山崎 悠生
3
4
堤 正樹
2
5
大屋 賢祐
1
6
吉原 良祐
2
7
岨野 力也
2
8
五反田 拓巳
3
H
9
横尾 俊也
1
10
大仁 貴博
3
T
B
11
今野 太晴
1
12
池永 慶祐
3
13
櫻井 将弥
3
14
松元 宏樹
2
FB
15
山福 武
1



16
椎名 克
1
17
白井 薫
2
18
伴 裕太
2
19
谷口 優人
1
20
佐々木 陽平
1
法政
桐朋
1
1
1
1
PG
DG
7
前半
7
1
3
1
3
PG
1
DG
7
後半
24
14
合計
31

交代
入替
後半9分
1 ⇒ 16
入替
後半13分
7 ⇒ 20