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春季大会3回戦。相手は本郷高校。過去に何度も花園に出場している強豪校だ。前回の荒川工業戦をいい形で勝ち上がった法政。本郷相手にも自分たちのやりたいことをやり通すことが出来れば必ず勝機は生まれる、そう信じて試合に臨んだ。臆する者は誰もいない。全員が試合を待ち遠しく感じ、気合いみなぎる表情でグランドへ飛び出していった。
だが、やはり本郷。そう甘くはなかった。

法政ボールのキックオフ。

1分。立ち上がりから、本郷は強力FWの圧力を活かしガンガン前に出てきた。いきなりスピードに乗りビッグゲインを許すかと思われたが、WTB松元が見事なタックルを決めピンチを救う。しかし松元は立ち上がれない。このプレーで怪我を負ってしまう。なんとか気力でプレーを続けるも、前半終了で交代することになった。

3分。SO大仁が鋭い上がりからタックルを受け、そこにラッシュを喰らう。ルーズボールを本郷に拾われ3番に突破をされる。そのまま先制トライを奪われてしまった。0−5。

本郷はプレッシャーがきつく、キックにも鋭くチャージ、接点も越えてきた。でも春の初戦ということもあったのかミスも多く、法政DFのがんばりもあって食い止め続ける。試合を通じてそんな流れだった。大仁のキックもこの日は冴え、大きく陣地を挽回しチームを救っていた。

10分。自陣でのスクラムから法政はアーリープッシュの反則を犯してしまう。このフリーキックを右に展開され一度はNo.8五反田のタックルでこれを止めるも、そこからさらに繋がれてトライを奪われた。0−12。

その後もピンチの連続だが、五反田に加え、大仁、CTB櫻井、主将CTB池永、FL白井なども体を張ったタックルで止め続ける。

18分。だが追加点を奪われる。法政陣10mでもスクラムから、縦・縦で突破されインゴールまで押し込まれてしまった。0−19。

20分。しかし法政も諦めない。反撃をし始め前半最大のチャンスを迎える。本郷陣で得たペナルティーから大仁の素晴らしいキックで一気に5m付近のラインアウトを獲得する。ここからアタックを繰り出しトライを狙うが、やはりさすがは本郷。早い出足でトライを許さない。

25分。今度は一転大ピンチ。自陣5mでの本郷スクラム。このアタックを一度は押し返すも、DFラインに出来た穴を突破されトライまで持っていかれた。0−26。

27分。センターでの本郷スクラムから、右サイドを大きく突破される。8→9→14と繋がれトライ。0−33。


ここで前半終了。
やはり強い、本郷は。だが法政も決して諦めない。松元に変わって出場するWTB佐々木も大きな声を出しながら、再びグランドに飛び出していく法政フィフティーン。


だが後半も本郷の攻撃は激しさを増す。

1分。いきなり連続アタックで法政ゴール前まで迫る。なんとかギリギリで食い止めるも、スクラムからNo.8のエイタン攻撃で飛び込まれる。0−40。

法政はよくタックルに行き本郷を止めていたが、完全には抜かれなくても倒せていないからボールを繋がれどんどんゲインをされてしまう。試合を通してそんな展開が続いていた。

5分。ポイントサイドを破られ突破。カバーディフェンスが何とか食い止める。しかしそこから再び繋がれトライを奪われる。0−47。

しかし法政も諦めない。その後は一転反撃に移り、本郷陣深くで攻撃を繰り出す。本郷の強力DFの前に何度も跳ね返されるが、法政FWががんばりターンオーバーを許さない。そしてついにその努力が実った。

12分。連続攻撃から一度は本郷側にボールが出てしまうが、法政DFのプレッシャーからかミスが起きルーズボールとなる。このボールを池永が拾った。残り30m。頼れるキャプテンが自慢の俊足を生かしインゴールまで走りきった。トライ!
たかが1トライ。だがこの点差でも諦めず後半にトライを挙げた意味は大きい。7−47。

14分。だが本郷もすかさず反撃。法政のペナルティーからハリー攻撃。SHにトライを奪われた。7−54。

その後は再びピンチを何度も迎えるが、大仁・櫻井・五反田を中心に素晴らしいタックルを何度も見せ、低いDFで食い止めている法政。

22分。お互いに疲れの見えてきた終盤。法政はよく攻めよく守っていたが、ジリジリとゲインをされ始め、ここも押し込まれた後に最後は大外に振られて走りきられる。7−59。

25分。法政DFラインのギャップを突かれトライ。

29分。強力FWを相手にし続けてきた法政にはもう力が残っていなかったか。試合のラストプレーでもトライを奪われてしまった。7−71。

だがそれでも法政は声を出し続けていた。特に挙げたいのはHO渡邉。この選手が一番大きな声を出して最後まで味方を鼓舞していた。そしてもう一人、岨野力也だ。このチームのエースとも呼べる存在だった2年生だが、大きな怪我を負ってしまいこの大会での出場は叶わなかった。しかしビデオを撮りながら誰よりも大きな声で仲間を応援していた。文字通り声が枯れるまで。


確かに本郷は強かった。完敗だ。しかしそれは今日に関しては、だ。これから法政は秋に向けた準備をしていくことになる。目標はあくまで変わらず、『花園出場』だ。
笑う人もいるかもしれない。春の3回戦で負けているようなチームが花園なんで行けるわけないと。
だが、今日の試合の渡邉や岨野のように、最後まで諦めないヤツラがこのチームにはいる。この2人だけじゃない。60点以上の差をつけられても、誰一人最後まで走るのをやめなかった。諦めなければ夢は叶う。私はそう信じている。

『信は力なり』私が最も尊敬するラガーマンが言っていた言葉だ。


秋には秩父宮で泣こう。


這い上がれ、法政!



法政

1
金森 達哉
2
2
渡邉 雄太
3
3
山崎 悠生
3
4
堤 正樹
2
5
大屋 賢祐
1
6
白井 薫
3
7
椎名 克
1
8
五反田 拓巳
3
H
9
横尾 俊也
1
10
大仁 貴博
3
T
B
11
松元 宏樹
2
12
池永 慶祐
3
13
櫻井 将弥
3
14
吉原 良祐
2
FB
15
山福 武
1



16
佐々木 陽平
1
17
18
19
20
21
22
23
24
25
法政
本郷
5
4
PG
DG
0
前半
33
1
6
1
4
PG
DG
7
後半
38
7
合計
71

交代
入替
後半0分
11 ⇒ 16