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春季大会3回戦。ついにこの日がやってきた。相手は強豪・大東一高である。目標である関東大会に出場するためには、乗り越えなくてはならない大きな壁だ。しかし去年の対戦では勝利している。チームも非常にいい状態でここまで勝ちあがり、大きな怪我人もいない。たとえ大東が相手でも、自分たちがやってきたことを信じて戦えば必ず勝てる、そう言って選手たちはグランドに飛び出していった。

大東ボールで運命の一戦の火蓋が切られた。

序盤はサイズに勝る大東がジリジリと攻めてくる。しかし法政もLO小野・WTB池永のタックルなどで、大東の攻撃を防ぐ。

3分。最初に大きなチャンスを迎えたのは法政。SO杉山の裏へのキックが大東5mまで迫るも、法政はここでペナルティーを犯してしまう。

7分。今度は大東の反撃。法政ボールスクラムをプッシュされターンオーバー。そのボールを右に展開され、法政はタックルに入れず11番に独走を許してしまう。先制点を許してしまった。0−7。

先制点は奪われたものの、法政はNo.8高柳・FL岡本の低いタックルなどで大東の攻撃を跳ね返していく。

15分。大東の強力FWによるゴリゴリ攻撃に法政FWはよく耐えていたが、大東11番にDFラインのギャップを破られてしまい、再びトライを奪われる。0−14。

21分。法政の攻撃。自陣10mからライン攻撃。華麗にパスが回り、一気に大東陣22mの中まで攻め込む。トライにはいたらなかったものの、BKで勝負できる気配が漂い始める。

26分。法政は自陣からどんどんBK展開で勝負するようになっていく。ここでもいい形でBKがゲインをしていくが、ここで痛恨のハンドリングミス。これを大東に拾われ、トライを奪われてしまった。0−21。

その後も大東の強力FWにジリジリ下げられるも、ここも高柳のタックルなどで必死に食い止め、前半終了となった。


リードされてのハーフタイムとなったが、これまで同様選手一人一人が修正点を出し合い気合を入れなおしていく。諦めたり下を向いている選手はいなかった。


その諦めない姿勢が、後半開始直後から実を結び始める。

4分。ここまでFWでのアタックを中心に大会を勝ち抜いてきた法政だが、大東の大型FWを相手に分の悪いFW戦から、スピードを生かしたBK勝負へと切り替えた。これが功を奏し、最初のチャンスをモノにする。右へ展開した後、余った左へつなぐ。SH青木→CTB星谷→高柳と渡り、最後はWTB高野へ。高野が快足を飛ばし、インゴール左隅に飛び込んだ。5−21。

7分。いい形でテンポをつかんでいたが、勢いのまま奪ったボールを再度ターンオーバーされる。法政はDFラインが敷けておらず、ギャップを抜かれトライされてしまう。5−28。

12分。大東スクラムは大きく強く、法政FWはどんどん消耗していく。ここでも大東ボールスクラムから右へ展開される。法政はタックルに行くも、足が止まり始めタックルミスが目立つようになる。そしてそのままゲインされトライ。5−33。

それでも法政は諦めず、LO井上・小野などのすばらしいタックルで何度も大東を食い止め、攻めてはBK勝負を完全にモノにし、展開すればビックゲインが起こるといった流れになる。しかし何度惜しいところまで攻めても、トライまでは奪えない。

18分。しかしついに法政にトライがおとずれた。大東陣22mでのマイボールスクラム。ここで杉山からBKラインに、よりフラット目にしてスピードつけてボールを取りに来いという指示が出る。そしてその通りにフラットに素晴らしいパスを投げると、そこに走りこんだのは高野。高野はパスを受け取るとトイメンをステップでかわし、インゴールまで走りきった。トライ。前回の試合で5つのトライを奪った高野。この日も法政の全トライを挙げる活躍を見せた。12−33。

27分。杉山のパントが大チャンスになるも、そこから大東のカウンターアタック。法政はもう走れなくなっていた選手もいたが、気力で戻る。池永がよく追いつきタックルで相手を倒すが、そこに走ってきたのは大東の選手。FB出野のDFも間に合わずそのままボールを拾われ決定的なトライを奪われてしまった。12−40。

それでも法政は諦めない。小野の火の出るようなタックルや大声などがチームを鼓舞し、キャプテンFL平野も足をつりながらも全員を励ます。

29分。最後の攻撃。法政は右に展開し大チャンスを迎える。しかしこのボールもギリギリでトライにいたらず、最後の一矢を報いることができなかった。


そしてノーサイド。



よく戦ったと思う。昨年などに比べて能力の高いスター選手はおらず、リーダーシップもずば抜けている選手はこのチームにはいない。しかしだからこそ全員で力をあわせ、仲間のミスをフォローし、他人任せにすることなくみんなでチームを作り上げてきた。そしてとても素晴らしいチームになってきた。それだけにこのチームで関東大会に行きたかったし、この選手たちにもっといい思いをさせてあげたかった。そう思わせてくれるチームに、いつの間にか成長していた。

だが、負けは負けだ。これで関東大会の夢は潰え、3年生にとって残った大会は秋の全国大会都予選のみになってしまった。しかし、まだあるのだ。来年の今頃、どんなにこのメンバーで熱い戦いがしたいと思っても、もうできない。秋の初戦で負ければ、残り4ヶ月。たとえ花園で優勝したとしても、それでもこのチームに残された時間はあと8ヶ月ほどしかないのだ。

だから秋までの残りの日々、全力で練習しよう。この悔しさを晴らして勝って泣くために練習に割ける時間は、そう長くない。そしてこの愛すべきチームで戦える時間も、そう長く残っていない。悔いを残さないために、新人戦・春季大会での悔しさを晴らすために、このチームを見下したヤツラを見返すために、持てる力の全てを尽くして前進しよう。

がんばろうな。

立ち上がれ!
法政高校ラグビー部!!



法政

1
松井 貴大
3
2
宮本 廣樹
3
3
小津 久典
3
4
小野 大介
2
5
井上 真一
3
6
平野 睦
3
7
岡本 康太郎
3
8
高柳 勇斗
3
H
9
青木 智史
3
10
杉山 了伍
3
T
B
11
高野 祐一
3
12
星谷 孝太朗
3
13
清水 虹輝
2
14
池永 慶祐
1
FB
15
出野 拓
2



16
末吉 恵大
2
17
木山 拓則
2
18
大仁 貴博
1
19
20
21
22
23
24
25
法政
大東
3
3
PG
DG
0
前半
21
2
3
1
2
PG
DG
12
後半
19
12
合計
40

交代