GAME05

春季大会2回戦。嬉しいニュースがあった。LO岡本が戦列に復帰したのだ。9月の試合で鎖骨を骨折し、12月に復帰するも再び同じ箇所を骨折。実に7ヶ月もの間辛いリハビリに耐えてきた。ついにその岡本が復活した。辛く苦しい思いもたくさんしてきただろう。思う存分暴れてほしい、そう願った。また、この試合は3年生全員が揃って試合に出場できる最初の試合だ。忘れられない試合にしようと声をかけ、選手はグランドに飛び出していった。

マイボールでキックオフ。

1分。法政はいきなりのトライを挙げる。八王子ボールのラインアウトをターンオーバーし、右へ展開。ラックになったところから一人のFWがサイドアタック。そのFWは力強く、多くのディフェンスを引きずりながら前へ前進。そしてなんとインゴールまでボールを運び飛び込んだ。起き上がったときに背番号が見える。7番。岡本康太郎であった。苦しい思いをした岡本が、最初のトライを奪った。言葉にならないほど感動する場面であった。７－０。

そして岡本のトライで勢いづいた法政は、怒涛のトライラッシュを見せる。

3分。左に展開したボールを、この日はWTBとしての出場になった高野がトライ。
１２－０。

10分。岡本がまたしてもナイスタックルで敵を止め、そこで得たペナルティーからHO宮本がハリー攻撃でインゴールへ飛び込む。１９－０。

13分。またしてもペナルティーをハリーで攻め、最後はSO杉山が自ら持ち込みトライ。２６－０。

15分。ラインアウトをターンオーバーし、左へ展開。BKが前の試合には見せなかったようなきれいなつなぎを見せ、高野へ。高野が走りきった。３３－０。

17分。FB出野が素晴らしいスピードでライン参加。DFを抜いたところで、CTB清水へ。清水からまたしても高野へと渡り、トライを奪った。３８－０。

20分。ラインアウトをFWが押し込み、トライ。４３－０。

23分。今度は右へ展開。これもつながり、５０－０。

そして前半終了。
前回の試合と同じく、ハーフタイムには主将・FL平野を中心に選手同士で修正点を話し合い、自分たちで気合を入れなおして後半へ臨んでいた。

後半も法政の勢いは止まらない。

3分。序盤は双方ミスが目立ち攻撃権が入れ替わるが、この日何度もいい突破を見せたNo.8高柳が素晴らしいランでトライを奪う。５７－０。

4分。またしても高柳の突破から、出野へと渡りトライ。６２－０。

7分。この日もう一つ非常に嬉しいトライが生まれる。WTBとして先発した末吉が、開いた右サイドでボールを受け、トライをした。末吉は性格が非常に大人しいプレーヤーであり、なかなか技術も上達せず、今まであまり試合や練習で活躍できなかった。しかし2年生になってからものすごく気持ちを入れて練習に臨むようになり、毎日大きな声でボールを追いかけていた。そんな末吉の人生初トライ。皆が彼のトライを祝福していた。おめでとう、恵大。６９－０。

9分。ラインアウトモールからFWがゴリ攻撃。７６－０。

13分。高野がすばらしいスピードで八王子BKラインを切り裂き、FBとの1対1も制してトライ。８３－０。

15分。法政BKにパスミスが出るも、それが逆に杉山のランニングスペースを生み出しビックゲイン。タッチライン際で捕まるも出野がナイスフォローをし独走。最後はFWのピック。９０－０。

19分。八王子陣5mでのヤーボスクラムをプッシュしターンオーバー。平野がそのボールを拾いインゴールへ９５－０。

23分。極めつけは、またしても高野。キックされたボールをキャッチすると、敵陣10mからのカウンターアタック。なんとDFを全て抜き去り、この日5つ目のトライ。
１０２－０。

そしてノーサイド。

まずは3回戦突破おめでとう。また3年生全員が同じユニフォームを着て50分間ラグビーをできたこと、本当に嬉しかった。きっと思い出に残ったことだろう。
次はいよいよ大東大一高との試合だ。大東は過去には全国制覇を成し遂げたことのある、超が付くほどの伝統校である。しかしこちらも63代を数える法政だ。プライドにかけても負けられない。ましてや去年の世古率いる62代はすばらしい試合をして勝利している。去年はみんなが低いタックルを突き刺していた。今年も勝とう。低いタックルで勝とう。勝って、このチームの素晴らしさを色々な人に見せ付けてほしい。

横断幕に書かれた言葉をもう一度思い出せ！

完全燃焼！法政健児！