GAME01

新人大会初戦。平野率いる63代最初の戦いである。しかし法政は初戦から苦しい状況を迎えた。PR小津とLO岡本が怪我のためにこの試合に出場することができない。もともとメンバーが少ない状況であったため、14人で戦うことを余儀なくされた。しかしこれは戦いである。負ければ人数など言い訳にならない。相手は駒澤大学、強敵である。前に出る気持ちだけは負けてはいけない、そう言い合いながらグランドに出て行った。

駒沢ボールでキックオフ。

1分。LO岡本が退場。骨折したままの体で試合を成立させるためにメンバーに入ってくれた。約束どおり、戦いたい気持ちを抑えメンバーたちの応援に回った。

駒澤の攻撃はスピードがあり、法政は自陣に釘付けにされる。しかし法政はDFを踏ん張り、ゲインを許さない。

10分。1人少ないFWであったが、ブレイクダウンでの激しさは素晴らしく、駒沢を圧倒する。ポイントをめくり上げ、No.8高柳が突破するなど、徐々に陣地を回復していく。

12分。法政FWがゴリゴリ前に出てついにはインゴール手前まで。しかしあと一歩のところでノットリリースザボールの反則。先制点を奪えない。

その後も法政はプレッシャーをかけ続け、駒澤陣で試合を展開する。

21分。法政FWの縦への突破を駒澤DFが止めきれなくなり、たまらずスクラムでペナルティーを犯す。そこで得たアドバンテージをSO杉山が大きく勝負に出て、オープンサイドにキックを仕掛ける。このボールをWTB木山が俊足を飛ばして追いかけるも一歩届かなかった。
しかし潰えたかに見えたチャンスは終わっていなかった。HO宮本から投入されたラインアウトをFWがモールにし猛烈にプッシュ。10mを一気に押し込みついにインゴールにたどり着いた。最後はキャプテンFL平野が飛び込む。先制トライ！　５－０。

そして前半終了。

前半はFWがよく走り回りポイントを制圧できた。
どんなに辛くても最後まで走りきろう、そう言って再びグランドに出て行く法政。

後半も序盤は法政ペース。
ブレイクダウンで負けず、タックルもよく入っている。

8分。ラインアウトからのモールを完全にモノにし、全てのモールでチャンスを生み出す。ここもゴール前からのペナルティーからラインアウトを選択。残り5mからモールを形成する。ここは駒澤DFに止められポイントになるも、ここからSH青木が絶妙なパスダミーを使い自らポイントサイドを突破する。そしてインゴールに飛び込んだ。１０－０。

その後は一進一退になるが、大半を駒澤陣でプレーできたため法政ペースで試合は進む。

しかしさすがに疲れの見え始めた法政。少しずつポイントの寄りも遅くなり、反則も増えていく。

17分。ジリジリと下げられ、その結果ペナルティーを繰り返してしまう。これを駒澤は外に出さずFWが縦に縦にと入ってくる。そしてついにゴール中央にトライを許してしまった。１０－７。

21分。しかし法政はトライをとられても下を向くことなく、点差を守りにいくのでもなく、再び攻撃を仕掛ける。岡本も声を枯らして味方を鼓舞した。法政は再び前に出続け、敵陣へ。ここでラインアウトをまたしてもモールで押し込む。そして決定的なトライを奪った。１５－７。

24分。ロスタイムに入っても駒澤はあきらめず、再び縦に連続して攻撃をしてきた。法政は足が止まってしまい、オフサイドや倒れこみの反則で地域を奪われてしまう。あっという間にインゴールまでつながれ、トライを奪われてしまった。
１５－１４。

しかしここでノーサイド。辛くも逃げ切った。

まずは初戦突破おめでとう。そして63代目が初めてファーストジャージを着て戦う試合を、勝利で飾ることができてよかった。人数が足りなかったことはウチのチームの問題だ。勝敗には何の言い訳にもならない。しかし試合終了後に多くの選手が足をつり、動けなくなっている姿を見て、やはりよくがんばったと誉めてやりたい。一人いない分を、岡本の分を、小津の分を、みんなで走り続けてカバーしようとする姿が嬉しかった。

勝敗は大事だ。しかし今日のような試合ができることはもっと大事だと思う。全員で何か一つの目標のために、勝って涙が出るほどの思いをしながら走り続ける。仲間のために、一つのボールのために、これぞラグビーの原点では無いだろうか。次の試合でもそんな試合を見せてくれることを期待している。　

がんばれ法政！！