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春季大会トーナメント2回戦。ついに明治学院東村山との対戦を迎えた。明治学院とは新チーム最初の練習試合をしたり、夏休みに短期合宿を共にし、合同練習や武蔵野大会等で交流してきた。選手の名前や顔はもちろん、互いの戦術や長所・短所も知っている。私自身、合宿にお邪魔し一緒に髪を切ったりメシを食ったりした子が何人もいる。複雑な心情もあったが、選手たちは『一生懸命やることこそ礼儀だ!』と、全力を尽くすことを誓っていた。

天気予報は雨だったが、両軍の気迫にお天道様も押されたのだろう。雨が振り出さないうちに明治学院ボールでキックオフ。

開始と同時に両群入り乱れての戦いとなるが、共に浮き足立ちペナルティーを繰り返す。最初に相手陣へ入ったのは法政だったが、明学ディフェンスの素早し出足に自慢の高速BKが機能しない。明学の詰めディフェンスは本当にすばらしく、法政の攻撃を作らせてくれない。法政は前に出れない。
しかしここで流れを作ったのは、SO薄井のキックであった。
12分。薄井のハイパントキックが絶妙の場所へコントロールされ、明学BKが処理しきれない。そのボールをCTB楠原が拾い、。相手選手を引きずりながらも力強くインゴールまで持っていった。5−0。待望の先制点を得る。
14分。またも中央から薄井のハイパン。またもディフェンスの届きにくい場所へコントロールし、相手のミスを誘った。こぼれたところを今度はCTB丸田がゲットし、独走トライ。12−0。先ほどのリプレイを見ているかのようであった。
17分。薄井のキックはますます冴え渡り、相手陣深くまで攻め込みだす。そして相手陣5mからマイボールスクラムをゲットし、キャプテンNo.8吉岡がエイタン攻撃。完全に抜け出しトライ。19−0。

その後どちらも決め手を欠き、こう着上たちの後、前半終了となる。

点数こそ奪っていたが、明学のディフェンスの出だしは本当にすばらしく、法政は本来の攻めの形をほとんど作り出せなかった。モール・ラックの接点でも押し返されることが多く、自陣深くまで攻め込まれることも多々あった。
ハーフタイムでの監督・コーチ・キャプテンからの指示は厳しく、とてもリードしている雰囲気ではなかった。

後半に入ると、ようやく法政のペースになってくる。後半に向けて気合いを入れなおした選手たちは、怒濤のラッシュでもう一度攻撃を立て直した。
3分。相手陣5mからラインアウトを得ると、2年生LO安藤へのサインを選択する。安藤はこれをきっちりキャッチするとディフェンスの間を強引に突破。最後は自分で飛び込みトライを挙げる。26−0。安藤は先週の帝京戦でもトライを記録し、これで2戦連発。同じく2年生LO西勝とのレギュラー争いはますます熾烈を極めていくだろう。
6分。安藤のトライで勢いづいたFWは、押されることの多かったモールでも優位に立ち始める。相手モールをLO関谷がこじ開け、ボールを奪取。そのまま突進し明学ディフェンスを崩壊させる。ここでSH乾が間髪いれず楠原に玉を出すと、楠原は修正し切れていないディフェンスラインの隙をつき。突破。最後は相手FBと1対1になったところで落ち着いてFB木村にパス。木村が走りきり中央にトライ。33−0。ようやく法政らしい攻撃の形ができた。
しかしその後も楽な試合展開にはならない。さすがは明治学院。最後まで諦めることなく、強力FWが何度も法政ディフェンスを突破する。危ないシーンが何度もあった。
だが、この流れを断ち切ったのは、またも薄井のキックであった。ご存知のとおり、薄井は昨年の冬に加入した異色の新人3年生であるが、最初はとにかくキックが下手だった。しかし毎日練習の後に居残りでキックの練習をし、飛距離も正確性も見違えるほどになった。自慢のBKで前に出れず、相手のFWも強力だったこの試合では、薄井のキックは本当に大きな武器になった。とは言ってもまだ波があるのも事実である。先週の帝京戦では全くダメだった。もっともっと練習をして、精度を上げてもらいたいものである。
ともかく、ピンチを乗り切った法政は再び明学陣へ。
19分。相手ゴール前のラインアウトからモールを押し込み、乾が飛び込んでトライ。40−0。
それでも明学は『1本とらなきゃ帰れねーだろ!』と最後まで全力で向かってきた。そして法政フィフティーンもそれに全力のプレーで答えたと思う。試合終了を告げる笛が鳴ったとき、グランドにいる30人は全員が感情を表に出していた。

勝つには勝ったが、苦しい試合であった。我がチームをよく知っているだけあって、明学はオフェンスもディフェンスも、ウチの弱いところを突いてきていた。試合が終わって両軍の選手の顔を見ていると、なんともいえない感情がこみ上げてきた。また共に練習し、切磋琢磨することによって、お互いにレベルアップしていければと思う。

次戦は春の都BEST4、明治大学中野高校である。明学との戦いで得た課題を練習し、関東に行くため、必ずや勝利を収めてもらいたい。



法政一

1
大濱 裕之
3
2
遠山 周平
3
3
玉川 嘉文
2
4
安藤 良一
2
5
関谷 俊彦
3
6
澤井 正和
3
7
小林 修平
2
8
吉岡 耕
3
H
9
乾 良太
3
10
薄井 智
3
T
B
11
小池 宏明
2
12
楠原 光弥
3
13
丸田 喬仁
3
14
谷口 智規
2
FB
15
木村 貴瑛
3



16
井元 翔太
2
17
西勝 重明 
2
18
河辺 賢人 
1
19
20
21
22
23
24
25
法政一
明学
3
2
PG
DG
19
前半
0
3
3
PG
DG
21
後半
0
40
合計
0

交代
入替
後半14分
12 → 16
入替
後半18分
4 → 17