昨日行われた練習試合の結果をお知らせいたします。
vs 帝京 17-22 ●
※ 25分×2本
対戦してくださった帝京の皆様、ありがとうございました。
昨日行われた練習試合の結果をお知らせいたします。
vs 帝京 17-22 ●
※ 25分×2本
対戦してくださった帝京の皆様、ありがとうございました。
春季大会トーナメント2回戦。
前戦を劇的な逆転勝利で勝ち上がった合同C。チームの雰囲気も非常に良くなり、2回戦に向けて気持ちを入れて練習をしていた。怪我やコンディションの関係で出場できなかった法政のFL野嶋とWTB井上も出場できることになり、良いニュースもある。
楽しみである。
マイボールでキックオフ。
序盤から青山はキックを多用してきた。WTBの裏へのキックからターンオーバーを狙ってくる戦術で、合同Cは試合を通して終始キック処理に手を焼くことになった。
4分。ラインアウトから青山に先制トライを奪われる。0-7。
合同CもDFで頑張り時折青山陣へ攻め入るが、ミスが多く決定機を迎えられない。
14分。ペナルティーからハリーで攻められ一気にゴール前に迫られる。一度は何とかトライを防ぐも、インゴールドロップアウトのボールをカウンターで走られ、DFラインのギャップを突かれトライを奪われてしまう。0-14。
18分。ターンオーバーされDFが揃っていないところを攻められ、またもトライ。0-21。
前半で3トライ差となり気落ちしてしまうかと思ったが、しっかり前を見て反撃に転ずる合同C。
21分。敵陣10mでのマイボールラインアウトという絶好のチャンス。ここで選択したのはモール攻撃。田無工の大型FWを中心に力で押し込む。ゴールが見えたところでチーム一の巨漢・PR佐藤が飛び込むとDFもタックルに来たが、スピンムーズで交わしてインゴールにグラウンディングした。トライ。5-21。
29分。その後は青山の攻撃によく耐えていた合同Cだったが、やはりキック処理や陣地取りに苦労し続ける。ここも段々と下げられ、前半終了間際に追加点を取られてしまった。
後半開始と同時にFL野嶋を投入。3月末の練習試合で脳震盪になり、この日が復帰戦となった。まだ体力が戻っていないことから後半の30分間のみの出場となったが、誰よりもたくさん走ってチームを助けるように伝えた。
6分。自陣での合同Cのペナルティーに対し、青山はショットを選択。点差を考えると非常に手堅い選択に見えるが、我々のDFに対し攻めにくさを感じていたのか。5-29。
その後もNo.8からWTBへコンバートされた井上が、相手のパントをキャッチしチャンスを作るなど良い形を幾つか作る合同C。
10分。ここもSO浦野のキックパスをダイレクトでキャッチした井上が相手を一人かわし突破。フォローに来たCTBキャプテン太宰へ繋ぐとゴール前まで走る。しかしここもトライには至らず。
11分。No.8エース黒髪のエイタン攻撃からSH竹内へのコンビネーションでビッグゲイン。しかしあろうことかこのボールを奪われると逆に一気に50m独走されトライを奪われてしまった。5-36。
このトライにはさすがに気落ちしたか、この頃から動きが悪くなってくる合同C。
20分。立て続けにトライを奪われる。5-41。
大型FWの多い合同C。スタミナも切れ始めた。2回戦から試合時間も長くなり30分ハーフになったことに加え、この日は気温も高く消耗が激しい。そんな中でも太宰やFL関口などが必死に相手を食い止める姿に仲間も勇気づけられる。
23分。ミスボールを拾ったCTB市野が相手DFラインのギャップを見つけ突破。意地のトライを見せるまで2mまで迫ったが、ここもパスが繋がらなかった。
27分。最後まで攻撃の手を緩めない青山に対しジリジリ下げられる合同C。ここでとどめのトライを奪われた。5-48。
ノーサイド。
残園ながら負けてしまった。
だが試合後に素晴らしい光景を2つ目にしたので、この場を借りて紹介しておきたい。
一つは合同Cの仲の良さである。とてもシャイな部員の多い我が法政ラグビー部は、これまで色々なチームと一緒に試合をしたりしてきたが、上手く関係を作れなかったりなじめなかったりした時も少なくなかった。しかし今回は違った。3月の末に初めて顔を合わせ1ヶ月ほどの時間しか付き合いが無かったにもかかわらず、とても仲良くなり笑顔で活動する姿がたくさんあった。試合後に聞いたところ「この合同Cが好きだ」と答えた選手がたくさんいた。せっかくなので今後もしばらくこのチームで試合をしたり練習したりしていこうと話した。良い仲間との出会いという素晴らしい財産を得られた。
もう一つは応援してくださった方々の姿だ。今大会から大会フォーマットがコロナ以前に戻り、有観客開催となった。昨年も保護者に限り認められてはいたものの、今回から保護者に加えて、家族・OB・そして学校の友達の姿があった。それを見て思い出したことがあった。かつてコロナ前のこの学校には、色々な部がお互いを応援にいくという文化があった。野球やサッカーにとどまらず、アイスホッケーやブラバンや音楽部のコンサートなど、公式戦や発表会の場に足を運ぶと、必ずと言って良いほど同級生や仲間を応援する法政高校の生徒を見かけた。多くの人が応援に訪れ、試合ではいつも法政の応援席の方が相手校より多かった。誰に頼まれたわけでもなく、一円にもならないことだが、仲間を応援しようとする純粋な気持ちがある。これは本校が誇るべき素晴らしい伝統だと思う。我々ラグビー部も応援してもらえてことを感謝し、仲間のことも応援できる集団になって欲しいと強く願う。
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春季大会トーナメント1回戦。
先日高体連ラグビー専門部より発表があり、今大会から大会フォーマットを全てコロナ以前に戻して開催する旨が伝えられた。昨年度は条件付で一部観客を入れて開催していたが、完全な有観客開催は実に3年以上ぶり。OBOGの方々に応援に来てもらえるのも大変久しぶりの大会となった。
今大会法政は合同Cに所属している。田無工科・帝京八王子・武蔵との合同となる。3月末から一緒に活動してきてまだまだ日が浅いものの、各校気の合う選手が多いようで非常に良い雰囲気で練習してきた。先週の練習試合も随所に良いプレーが見られた。
また、チームの雰囲気も新人大会の頃と比べると確実に良くなっているように感じている。特に新高1が加わり新しい風がチームに吹くようになってきたここ1ヶ月ほどは、以前よりチームらしくなってきていた。
楽しみである。
マイボールでキックオフ。
キックオフ直後いきなりのピンチを迎える。しかしここはターンオーバーし逆にSO浦野のナイスキックで陣地を回復する。
6分。合同Hのミスが起こり、良いエリアでのマイボールスクラム。これをNo.8黒髪→SH竹内と繋ぎビッグゲイン。そしてパスを受けたWTB黒田が左サイドを走りきりインゴールへと飛び込んだ。5-0。
12分。良い形の出足だったが、合同Hも前に出てくる。ペナルティーへの反応が早く、我々が準備できていないうちにどんどん攻撃を仕掛けてくる。ここでも戻りきれずオフサイドの反則を犯した合同Cに対し、時間を与えずハリーで攻め込みトライを奪われた。5-7。
15分。しかし再び合同Cの時間帯。再び敵陣深くまで攻め込むと、大型FWによるピックゴー攻撃。一度はターンオーバーされてしまうも、WTB脇山が大きくゲインし再び敵陣深くまで攻め込む。再びピックゴー攻撃を繰り出すと、今度はボールを失わず、最後は浦野が空いた右隅に飛び込んだ。10-7。
22分。再びピンチを迎える合同C。しかしここでCTBへコンバートされた市野からCTBキャプテンの太宰へとパスが繋がりながり一気に敵陣22mの中へ。あともう少しでトライというところまで攻め込むも、惜しくもここでハーフタイムを告げる笛が。
非常に良い雰囲気で戦えている合同C。しかし大型FWが多い分スタミナ面に不安が残る。特にこの日は雨上がりでグランドはぬかるみ、なおかつ気温が高く消耗は激しい。最後まで走りきれるか、DFで最後まで統率されたUPが出し続けられるかがキーとなるだろうと思われた。
後半も合同Cペースで試合が始まる。
田無工科のキャプテンで先日の合同選抜でも東京都代表の主力として活躍していた黒髪によるエイタンが威力を発揮し、大きなゲインを再三見せる。
5分。ゴール前に攻めると再びピック攻撃。しかしここでボールを失うと、ゴール前スクラムからBKに一気に抜かれ80m以上走られてしまう。逆サイドから脇山が必死に戻るもギリギリ届かず逆転トライを奪われてしまった。10-14。
12分。しかしまだまだ諦めない合同C。再び相手ゴール前まで迫ると、連続ピックで相手DFが真ん中に寄ったところをBKへ。市野がボールをもらいタックルを受けながらも前へ。最後はインゴールに右手を伸ばしライン上にトライをした。17-14。再逆転。
その後も多くのピンチを迎えるが、太宰が何度もタックルでチームを救う。さすがキャプテンという背中を見せ続けていた。
21分。勝利が見えてきたこの時間帯、またしても合同Hの反撃を食らう。相手のキックが自陣奥深くまで転がると、蹴り返す時間が無くたまらずグラウンディングする。これがキャリバックの判定となり自陣5mでの相手ボールスクラムという大ピンチ。このスクラムから左サイドに展開されるとDFが届かずトライを奪われてしまった。17-21。
あと少しというところでまたしても逆転された合同C。落ち込む表情を見せる選手もいたが、それでも諦めずに大声を出す選手がまだたくさんいた。
24分。浦野のキッキオフは意表を突いたショートキック。相手DFは処理しきれずノックオン。敵陣10m付近でのマイボールスクラム。時間的におそらくラストプレーになる。ここで合同Cが託したのは黒髪によるエイタン攻撃。この日何度もビッグゲインを見せていた彼の突破に全てを賭けた。黒髪はその期待に応え左サイドを突破するとWTB・FBとの1対1も制しインゴールまで走り切った。逆転のトライ。22-21。
そしてノーサイドの笛。
劇的な逆転勝利となった。何度もリードが入れ替わるシーソーゲームを制した選手たちの表情は笑顔にあふれ、リザーブ選手やマネージャーも一緒に喜んでいた。保護者やOBの方々も笑顔でねぎらってくれた。15人制の公式戦で勝ったのはいつ以来だろう。たかが一回戦突破だ。でも勝ったことは素直にうれしい。
それ以上にもっと嬉しかったのは、試合開始の際に「勝てるかもしれない」「勝ってほしい」と思って試合を迎えられたことだ。新人大会の時はそうは思えなかった。試合に臨む姿勢が欠けていて、とても公式戦を戦うチームになっていなかった。当然のように負けて、当然のように悔しくなかった。今回はそうではなかった。そこにチームの成長を感じた。
しかしチームはまだまだ課題がある。我々はラグビーのチームとしてやっとスタートラインに立ったところだ。これからさらなる成長を遂げていかなくてはならない。我々が勝って喜んでいる間に、負けた合同Hの選手たちは率先してグランドの整備をしてくれていた。きっと悔しさを噛みしめながら。そういうことを感じることができ、誰からも認められる勝者になってこそ、本当の意味での勝利に値するチームと呼ばれるだろう。
もっともっと成長しいこう。
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3/31に行われた練習試合の結果をお知らせいたします。
vs 東京学館浦安 5-34 ●
vs 検見川 32-14 ◯
※ ともに30分×1本
対戦してくださった皆様、ありがとうございました。
3/29に行われたSELの結果をお知らせします。
vs 石神井 0-35 ●
vs 城北&聖学院 12-14 ●
vs 合同F(帝京・筑波・東工大) 12-14 ●
※いずれも20分×1本
開催してくださった方々、対戦してくださった方々、ありがとうございました。
新人トーナメント1回戦。
太宰歩率いる第75代の最初の戦いである。
だが晴れの舞台に向けてあまり良い準備ができたとは言えなかった。
チーム状態は決して良くない。第73代、第74代は、最上級生たちが人数は少ないながらもリーダーシップを発揮しチームを導いていった。しかし新チームが始まってから、多くの選手が引っ張られていることに依存していたため、なかなかチームとしてまとまらず、チーム内の規律も緩んでいた。
公式戦当日であるこの日も、遅刻者もいれば忘れ物もあり、正装で臨んでない者もいた。そして最大の問題は、そういった状況でも、お互いに注意し合う関係性が全く存在しないことであった。
これでは勝てないだろうと思った。
キックオフから試合は合同Cのペースで進む。
前半の開始から敵陣に攻め込む。ブレイクダウンでもコンタクトの強さでも負けていない。しかしコミュニケーションが無くミスが重なる。ずっと同じ展開である。自陣に攻め入られることはあまりないものの、攻撃が繋がらず決定機を作り出せない。
そしてそうこうしているうちに一瞬のDFギャップを突かれ逆襲に遭いトライを奪われる。
6分、14分、23分、すべて同じ流れでトライを奪われた。
前半0-19。
後半も流れは変わらない。
No.8井上やFWの個々の突破はゲイン出来る。SO浦野→CTB太宰のホットラインでは再三ビッグゲインを見せる。しかしフェーズを重ねると必ずミスが起こる。パスミスよりもコミュニケーションミスが。
後半も、10分、15分、24分、と3トライを献上してしまった。
ノーサイド。
0-38。
選手たちは頑張っていた。この試合の中で手を抜いていたというわけではない。だから試合そのものに対しては、よく頑張ったと言ってあげたいし労をねぎらいたい。
しかし、この試合に至るプロセスはどうだっただろうか。この試合のためにどのくらい必死に準備できたのだろうか。負けて心から悔しがっている選手はどのくらいいただろうか。まわりの人たちはそんな自分たちをどのくらい真剣に応援してくれただろうか。
変わらなければならない。
法政高校ラグビー部は、みんなから応援されるチームだった。保護者は熱心に応援に来てくれ、いつも温かい言葉や差し入れを頂戴し、OBOG会から多額の支援金やアドバイスをいただいてきた。公式戦の前後では学校の友達や先生たちが必ず応援の言葉をくれていた。卒業生がいつも練習を手伝いに来てくれた。多くの人たちから応援される、法政高校ラグビー部はそういうチームだったはずだ。今はそういうチームになれているかな。このままで応援されるかな。
ポジティブな面に目を向ければ、これが新人大会だったということ。まだまだ挽回のチャンスは残されている。この先どういうチームになっていくのか、すべては現役選手・マネージャー、みんなにかかっている。
変わろう。
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先日行われた練習試合の結果をお知らせいたします。
vs 桜美林
0-4 ●
vs 合同B
1-1 △
vs 桜美林・合同B(10分で相手が交代)
2-0 〇
※結果はトライ数
グランド設営から練習試合の相手を務めてくださった桜美林の皆さん、合同Bの皆さん、本当にありがとうございました。
先日行われた練習試合の結果をお知らせいたします。
vs 豊多摩 0-41 ●
※20分 × 2本
1年生ゲームvs 豊多摩 0-17 ●
※20分 × 1本
対戦相手を務めてくださるだけではなくグランド設営まで、豊多摩高校さんには本当にお世話になりました。
本当にありがとうございました。
全国大会都予選トーナメント1回戦。
新人戦・春季大会と一緒に戦った農大一は単独チームへと復帰した。合宿も一緒に行なっている仲間と別れるのはさみしいが、彼らが多くの仲間を得て単独チームへと返り咲いたことは素直に祝福したい。今大会は合同Cという名前になり、新たな相棒は昭和第一学園となった。だがお互いの合宿やコロナの関係もあり、実際に顔を合わせることができたのは8月の下旬になってから。約1か月の準備期間でどれだけチームとして機能させられるかが大きな課題であった。しかし全くの初めましてというわけではない。ちょうど一年前、昨年の全国大会都予選も昭和第一と一緒に戦った。そのとき1・2年生だったメンバーがたくさん残っていた。気心が知れている選手も多い。初回の練習から良い雰囲気で合わせることができた。あとは試合でどのくらい1チームとなれるか。
今大会は約3年ぶりに有観客の試合となった。条件付きではあるものの、多くの保護者が子供たちの応援に来てくれた。入学と同時に購入してくださったのに真新しい応援Tシャツを着てくださっている保護者の方々を見て、時間の流れを感じていた。色々あったが、3年生のとって最後の大会、保護者の前で、仲間と一緒に、思い切り戦えることを感謝するべきだろう。
雨予報であったが、時折太陽も顔を出す絶好の空の下、キックオフ。
マイボールキックオフからFL野嶋が素晴らしいタックルを見せ相手を敵陣にくぎ付けにした。そのまま敵陣で落ち着いて試合を展開していく合同C。
しかしミスが多く決定機が作れない。
11分。ここも攻めながらもミスから内側が抜かれてしまう。懸命に戻るも間に合わずインゴールまで持っていかれてしまった。先制トライを許す。0-7。
14分。しかしまだまだ合同Cの時間帯。敵陣深くへと侵入すると、苦しくなった板橋有徳はたまらずペナルティーを犯す。アドバンテージをもらった中ではどんな大胆なアタックも可能だ。選んだプレイは右サイドへの大きなキックパスだった。期待の1年生SO浦野が左サイドから大きくあいた右サイドへとキック。何度も練習してきたプレーだ。このキックはきれいなスクリュー回転で右WTB石丸へと渡り、石丸は1人かわして独走。ゴール直前で捕まるも、フォローに走っていたNo.8岡本がこのボールを受け取り右隅にトライ。5-7。俄然盛り上がる合同C。
その後の板橋有徳のアタックも、FL関口などのタックルで食い止めていく。
しかしこのあたりからチームの規律の差が見えてくる。しっかりDFラインをそろえて決定的なゲインを許さない板橋有徳DFに対し、合同Cは焦りも見え始めミスや不用意な反則が増えてくる。
18分。ここでもペナルティーを犯してしまうと板橋有徳が選んだのはラインアウトからのモール攻撃。時間が無くてモール対策までは満足にできなかった合同Cは一気に押されてしまう。10mラインからゴール前まで押し込まれると、外が完全に余ったところを回されトライ。5-14。
24分。そして致命的な追加点が。板橋有徳のキックがハーフウェイライン付近へ。キャッチして右でも左でも大きなスペースを攻めることのできる大きなチャンスだったが、このボールをキャッチに行かない。ここまでバック3のキャッチミスが続いていたこともあり、ミスを恐れて1バウンドでキャッチしようとしたのだろう。ところが無情にもこのボールは大きく逆方向へ跳ね、あろうことかチェイスしてきた板橋有徳BKの胸へ。これに追いつける者は誰もおらず、そのままトライを奪われてしまった。楕円形のボールが生み出すラグビーならではのドラマかもしれないが、ミスを恐れてチャレンジしなかった悔やまれるトライ献上になってしまった。5-21。
このプレーで前半終了。
一人一人の強さや速さで負けていたわけではない。チームとしての意思統一や規律の浸透の差が出ていたように思う。選手たちもそれは感じていた。ハーフタイム中にはキャプテンCTB石坂をはじめとしたリーダー陣に続き、1・2年生選手たちも次々に発言をして修正を図っていた。
後半開始。
後半も立ち上がりは良く、敵陣で良い形で試合を進める合同C。だがやはりミスが多くなかなか22m中までは入らせてもらえない。
7分。FL井上(弥)を投入。1年生のうちから能力を見せ始め、KOBELCOカップ東京都代表セレクションに向けた監督推薦にも名を連ねていたプレーヤーだったが、膝の怪我により4月からプレーできずリハビリを重ねてきた。5ヵ月ぶりの実戦だ。期待と不安が入り混じりながらグランドへ飛び出していく。
井上(弥)の投入などで再び元気になることもあったが、この頃から疲れも見え始めたかペナルティーが増えてきた合同C。それでもDFは頑張り続けて板橋有徳の攻撃を跳ね返し続けていた。しかし徐々にそれも綻びを見せてくる。
19分。足が止まり始めた合同CのDFの隙間をつき、板橋有徳がアタック。見事に抜かれ左サイドにグラウンディングされてしまう。5-26。
それでも野嶋の強烈なタックルなど、最後まであきらめない合同C。23分には最後の3年生杉本も出場し、3年生5人が全員グランドに立つ。肉体的に精神的にとうにピークは過ぎており、脚を引きずっている選手もいる。それでも前に出る合同C。
ロスタイム。敵陣22mは攻め込む合同C。ここからはこの1か月練習してきたFWのピックゴー攻撃。徐々にゲインをしていき板橋有徳DFは下がり続ける。そして10以上のフェーズが重なった後、ボールを持ったのはまたしても岡本恵弥。我がチームから唯一KOBELCOカップに向けた東京都選抜に選ばれ関東大会で準優勝した、まぎれもないうちのエースだ。ATもDFもこの男抜きでは成立しないというまでに成長した。その男が最後のアタックを仕掛ける。ピックで低く飛び出すと右側のラックサイドへ。相手DFはもちろんいる。しかしそれでもパワーで身体をねじ込みインゴールへとダイブした。トライ。最後に意地を見せた良いトライだった。10-33。
そしてノーサイド。
残念ながら2回戦に進出することはできなかった。合同Cの活動はここで終わり、たった1か月間のチームになった。1回戦は法政のファーストジャージで戦い2回戦は昭和第一のファーストジャージで、という約束をしていたが、それも果たせず申し訳ない思いでいっぱいだ。
それでも試合後に涙の後に晴れ晴れとした表情をしていた3年生の姿が印象的だった。今年は法政も昭和第一も似たチームの雰囲気を持っていた。昨年度の3年生が能力やリーダーシップの高い子が多かったこともあり、また今年は3年生の人数も少なくて、それもあってちょっと自信が無さそうで。そんなところがよく似ていた。それでも気づけば誰もが信頼できるリーダーたちになっていた。特に我がチームのキャプテン石坂瑠惟。水泳という個人競技からチームスポーツに憧れてラグビー部の門をたたいた2年半前。部活動はおろか入学式すら無い中で始まった高校生活。ようやく登校できるようになってからも、分散登校やオンライン授業、宿泊行事は中止となり昼飯はいつも黙食。部活でも様々な制限をされる中、今日までやってきた。一日も休むことなく。キャプテンになってからも人前で話すことが苦手で、生意気な後輩たちに強く注意するのにも苦労し、プレーでもいつも恵弥に一歩先を行かれ、悔しい思いもたくさんしてきただろう。そんな中でも常にグランドに一番最初に現れ、だれよりも一生懸命に練習し、だれよりもチームのためにを考えてきた。そんな姿にいつからか多くの部員が尊敬と信頼のまなざしを送り始めていた。試合が終わって泣いている君の姿を見て、君がキャプテンに選ばれたことを疑問に思う人間は一人もいなかったはずだ。よくがんばったな。お疲れさま。ありがとう、瑠惟。
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