法政大学高等学校ラグビー部

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HOSEI University Highschool RUGBY FC
春季大会3回戦

春季大会3回戦

春季大会3回戦。

先週の試合では快勝したものの多くの課題を残した合同B。なかでも最優先課題はDFである。DFラインが前に出て強く体をぶつけることが出来ずに、差し込まれたりゲインを許すシーンが目立っていた。この一週間はその課題克服に多くの時間と意識を向けてきた。それが試合でどこまで発揮できるか、我々の命運はそれにかかっていた。

小山台ボールのキックオフで試合開始。

立ち上がり、どちらのチームもエリア獲得を念頭に置きキックを多用したマネージメントをしてきた。最初の数分間はキックの応酬となる。

4分。初めて敵陣22mまで攻め込んだのは合同Bであった。そしてこのチャンスを確実にモノにする。ラインアウトからCTB高橋(慧)が自慢の突破力で突っ込む。DFが寄せられ左サイドが余る。そこにちゃんと回してトライを奪った。先制トライ。最高の立ち上がりとなった。5-0。

7分。しかし小山台もすぐさま反撃。キックオフのボールの処理を誤ると、ゴール前でのヤーボスクラムという大ピンチに。小山台はここでエイタン攻撃を選ぶ。DFがこれに対応できずインゴールに飛び込まれた。5-7。

9分。小山台エースの12番に大きなゲインを許す。そこからピック攻撃で連続トライを奪われる。5-14。

12分。今度は合同Bが攻め込み一気にゴール前に迫る。最初のアタックは惜しくもパイルアップとなりトライに至らないが、そのスクラムでフリーキックを得ると高橋(慧)がいち早く反応しハリーで持ち込みトライ。12-14。

19分。今度は再び小山台。DFラインを突破されるゲインを重ねられる。ここでペナルティーを犯してしまうとそのポイントからハリーで飛び込まれトライ。12-21。

27分。その後は一進一退。合同Bにとっては苦しい時間帯もあったが、FL青柳のインターセプトからSO高橋(傑)→高橋(慧)への法政ラインで見せ場を作る等、法政の選手が中心となって奮闘していた。

 

ハーフタイム。ここでもNo.8赤坂や高橋(傑)などが中心となり戦術の確認を行い仕切りなおしグランドへ飛び出していく。点差はまだ1桁。後半立ち上がりにペースをつかんだ方が俄然有利になると思われた。そしてそれは思ってもいない形で我々側へ訪れた。

 

0分。合同Bボールのキックオフに対し、キャッチした小山台がDFラインの裏を狙った小パント。これが合同Bにキャッチされると、このボールがSH細川へ渡る。細川は素晴らしいスピードで走り出しDFラインのギャップを見つけると一気にカットインしてラインを突破。そのままFBも振り切りトライ。ノーホイッスルトライが後半最初のプレーとなった。最高の立ち上がりとなった。19-21。

5分。勢いに乗る合同B。再び敵陣22m内へ攻め込むと更にペナルティーをもらいゴール前からのラインアウト。モールを選択したFWは押し込む。130kgのPR馬場、105kgのPR岡田中心に重量級の選手が揃う合同BのFWによるモールは確実に前進し、最後は空いたサイドに飛び込みトライ。24-21。逆転に成功。

9分。しかし一転大ピンチ。自陣ゴール前まで攻められた上に相手選手のほうが人数が多いという大きなピンチを迎える。このピンチを救ったのは高橋兄弟。慧がブレイクダウンでボールを奪い返すと、傑がハーフウェーライン付近までナイスタッチキックでエリアを回復。この試合では特に2人の活躍が目覚しかった。

12分。しかしまたしても逆転されてしまう。なかなかエリアが取れなくなってきた。これはエリアマネージメントの問題というよりも、DFが上がらずタックルも出来ないため、ボールを持たれるとどんどんゲインを許してしまうためだった。ここもゴール前まで迫られると簡単にトライを献上してしまう。24-28。

14分。それでもボールを奪い返すと高橋(傑)が裏へのキック。インゴール付近へ転がる絶妙なキックだったがここは惜しくも小山台DFがボールを押さえる。

17分。FB萬田が自慢の快速でビッグゲイン。チャンスを生み出す。

18分。萬田が作ったチャンスから再び大きなチャンスを迎える合同B。ペナルティーから高橋(傑)がハリーで仕掛ける。ゴール前までゲインすると、ラックからFWがポイントサイドに持ち出し一気にインゴールへ飛び込んだ。31-28。再度逆転に成功する。

22分。しかし喜びもつかの間、またも逆転されてしまう。簡単にゴール前エリアまで侵入を許すと右隅へとトライを奪われる。31-33。

25分。それでも反撃に出る合同B。敵陣22mスクラムからペナルティーを得るとゴール前のラインアウトモール。今度は小山台も必死のディフェンスを見せるが、パワーで勝る合同Bのモールは止められず。インゴールまで押し切ってトライ。36-33。

残り4分凌ぎきれば勝利、のはずだった。しかし、

ロスタイム。ラスト1プレーでもDFは小山台のアタックを止められない。ジリジリ下げられあっという間にゴール前に。インゴールを背にして必死にディフェンスをするも、最後は左に回され左隅にトライをされてしまった。36-40。

そして直後にノーサイド。

 

合同Bが先制してから、7度もの逆転があった試合となった。観ている側としては手に汗握る興奮の試合だったと思う。スポーツという観点から考えれば、これだけのシーソーゲームを落とした我々には、たまたま勝利の女神が微笑んでくれなかった、ということになるのかもしれない。

しかし私にはそう感じられなかった。

アタックはたくさん点が取れた。手にしたチャンスの多くをモノにしたこのチームには、やはり個々のスキルやスピード・パワーに恵まれた選手が数多くいた。しかしDFに関しては全くと言っていいほど機能しなかった。組織や連携の問題ではない。タックルが出来ないのだ。前に出られないのだ。だから下げられ抜かれ、トライを奪われる。能力があるからトライは奪える。でもDFが出来ないからまた取られる。その繰り返しだった。だから決して良い試合でも手に汗握るシーソーゲームでもなかった。

ラグビーのタックルは、まさにその人の性格を現すものだと思う。タックルすることは誰にとっても怖いものだ。大きな体格の選手が猛スピードで走ってくる、そこに向かって突っ込んでいくことは誰だって怖い。でも素晴らしいタックルを出来る選手がいる。なぜか。自分がタックルをしなかったら、自分が抜かれてしまったら、この怖くて痛いタックルを味方選手にやらせなくてはならないからだ。だからみんな必死になって勇気を出してタックルをするのだ。チームのために。仲間のために。技術不足ではない。仲間のために体を張ってやろうという気持ちが薄いからタックル出来ないのだ。私はそう思う。パスやキックが上手いのと、タックルが出来ること、私にとってはこの2つの意味合いは全く違う。

選手たちは一生懸命戦った。そんな彼らの試合をけなすつもりはもちろん無い。でも彼らの高校ラグビーはこれで終わりじゃない。5ヵ月後に始まる全国大会都予選に向けて、厳しくてもハッキリ現実を見てもらいたいのだ。ここで立ち止まるな。ちゃんと自分を見つめなおせ。そして前へ出ろ。前へ出てタックルしろ。

 

合同B
1
馬場 雅治(昭和)
3
2
三浦 博喜(昭和)
3
3
岡田 直人(昭和)
3
4
佐藤 詢也(昭和)
3
5
尾崎 功汰(昭和)
3
6
青柳 勇斗
3
7
井上 健(昭和)
3
8
赤坂 大也
3
H
9
細川 凌雅(昭和)
3
10
高橋 傑
3
TB
11
志村 啓護(昭和)
3
12
鈴木 丈司(昭和)
3
13
高橋 慧
3
14
堤 駿次(昭和)
3
FB
15
萬田 義和
3
16
寺田 楓太郎(和光) 3
17
遠藤 功大(日学) 3
18
保坂 健太(和光) 2
19
20
21
22
23
24
25
合同B
小山台
2
 3
1
 3
PG
DG
12
前半
21
4
 3
2
 2
PG
DG
24
後半
19
36
合計
40
交代

 

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