春季大会合同リーグ第1節。
今大会は新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、大会は開催されるものの無観客勝つ試合時間も20分ハーフと縮小され、さらには単独チームと合同チームで別々のフォーマットで大会を行うこととなった。正直複雑な気持ちになるが、まずはこんな状況下でも大会を開催していただいたことに感謝し、合同チームの中でチャンピオンを獲ってやろうじゃないかと気持ちを切り替えた。合同チームにエントリーしている学校は30校あり、それが9つのチームに振り分けられた。相手は合同G。豊島学院と学習院の合同チームである。
快晴の中、合同Gボールでキックオフ。
1分。キックオフのボールをキャッチミスした合同C。いきなり大きなピンチを迎える。ここで合同Gはあえて狭い方のサイドで勝負してきた。13番のパワフルな突破を止めることが出来ず突破される。そしていきなりインゴールまで持って行かれてしまった。0-5。
2分。出鼻をくじかれた合同Cは浮き足立つ。DFにギャップが生まれそこを突破されると10番にパス。合同Gは素晴らしいランナーが何人かいたが、この10番もその一人。一気に加速するとDFを振り切りまたしてもトライまで持って行かれてしまう。0-12。
開始2分でいきなりの2トライ。重い空気が漂う。
その後は合同Cも良い攻撃の形を見せるもミスが多く責めきれず。そうこうしているうちにまたしても自陣ゴール前に釘付けにされ大ピンチ。
9分。しかしここで大きなプレーが生まれる。相手の反則で得たペナルティーからLO亀井がハリーでGO。タッチライン際を駆け上がり敵陣10mまで攻め込む。
11分。亀井が挽回したエリアを使い今度はBKが躍動する。SO小沢がDFギャップを突き突破。DFが引きつけられたところへ大外へのロングパス。これがWTB石坂に最高のタイミングで渡ると、石坂は残り40mを自慢のスピードで走りきった。トライ。5-12。追撃の狼煙を上げる。
14分。しかし反撃もつかの間またしてもミスから失点。ボールを奪われ左サイドへ。なんとか止めるもFWによるゴリ攻撃にトライを奪われた。5-17。
そしてそのまま前半は終了。
ハーフタイムで合同Cは6名の選手を入れ替えた。今回の大会では事前に決めていたことがあった。それはベンチ入りした選手全員で戦い勝つということ。コロナ禍の厳しい毎日を不安な気持ちのままそれでも諦めずに練習に励んでいた21人。この晴れの舞台を全員に味合わせてあげたかった。そして全員で勝利の歓喜に浸りたかった。そういう想いだった。
後半キックオフ。
1分。ファーストプレーでいきなり輝きを見せた男がいた。FL染谷優羽。彼は法政中学から本校ラグビー部に所属し、高校1年生の夏からニュージーランドへ語学留学をした。昨年夏の帰国直前に膝を大怪我し、この試合の数日前にやっと復帰許可が下りたところだった。約2年ぶりに彼のプレーを見る我々。スキルアップしているのだろうと想像はしていたが、彼の成長は我々の想像の上を行っていた。
後半1分・3分・4分・7分・8分と、染谷はいきなりジャッカルやタックルでボールを奪って見せた。8分間で5ターンオーバーである。なかなか見られるものではない。
染谷の度肝を抜くプレーにチームももちろん奮い立つ。
9分。合同Cのゲームキャプテンも務めるSH奈良がラックから空いているポイントサイドを突破。一気にゴールラインまで迫る。
11分。このチャンスを繋ぎ、FB宮川が右隅にトライ。15-17。俄然盛り上がる合同D。
13分。亀井が再びビッグゲインし、FL馬場へ華麗なバックフリップパス。さらには染谷が相手DFを引きずりながら突破。
14分。そしてそのチャンスに奈良がまたしてもラックのサイドを抜けインゴールに飛び込んだ。逆転トライ!22-17。
その後は合同Gも再び盛り返してくるが、合同Cは慌てず冷静に時間を使い切り、ノーサイドの笛を迎えた。
勝利した。
普段の勝利以上に、苦しい日々で満足に練習も出来ない中で勝利できたこと、全員が勝利に貢献したこと、最悪のスタートでも諦めず逆転して見せたこと、大変嬉しい勝利であった。シャイな選手が多くまだまだ馴染めていない部分もあったが、一つワンチームへと近づけたような気がする。次戦が楽しみだ。また良い試合をしよう。
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